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[ 本格/新本格 ] ポケットに地球儀 探偵作家アマンと謎の密室魔 |
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安萬純一 | 出版月: 2012年12月 | 平均: 4.00点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2012年12月 |
No.2 | 5点 | メルカトル | 2023/05/22 22:38 |
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探偵作家アマンを担当する鹿堀は、雑誌ナゾーン誌上で読者の「謎」を募集する。それらをアマンに面白おかしく推理させようという腹づもりだ。ところが、応募者が体験した不思議なできごとを調査しに出かけると、なぜかいつも脱出不可能に思える空間に閉じ込められてしまう―。読者から次々に届けられる謎と、奇怪な密室魔からの挑戦を、ユーモア溢れる筆致で描く連作ミステリ。
『BOOK』データベースより。 日常の謎から始まり、ユーモアを交え小ネタを挟んでからの、楽屋落ち、そして最後は本格ミステリへと次々へと形を変えるパターンの連作短編集。プラス意味不明な密室が同じ場所異なる趣向でアマンと鹿堀を襲います。密室に閉じ込められた二人はあれこれ知恵を絞りますが、あまり緊迫感はありません。誰が何のためにアマンと鹿堀に密室を仕掛けてくるのかが全く見当が付かないだけに、不可解さだけが募ります。 まあ何とも言えない作品ですが、甘目の採点をしています。面白いのはアマンの提言する、ミステリのトリックに関するちょっとしたアイディアでしょうか。取り立てて物珍しいものではありません、ちょっと考えれば誰にでも思い付きそうな感じだけに、それだけで評価が上がる訳ではないですが、こうした遊び心はこうしたユーモアミステリにとっては意外なチャームポイントになり得ると思います。 でも結局この人も鮎川哲也賞受賞作でデビューしたものの、多くの読者に忘れられ、一作のみの一発屋もどきの様な存在となるのでしょうねえ。 |
No.1 | 3点 | E-BANKER | 2013/02/07 22:10 |
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「ボディ・メッセージ」で第20回鮎川哲也賞を受賞した作者が贈る連作短編集。
事件に巻き込まれるとなぜか「密室」に閉じ込められるミステリー作家・アマンと担当編集者が織り成す事件簿。 ①「パンク少女と三日月の密室」=毎朝通勤電車で乗り合わせる一人の女性がとる謎の行動の理由とは・・・。本筋の真相はかなりこじつけ感がある。今回閉じ込められる密室は三日月型の部屋。 ②「ノイズの母と回転する密室」=事件の舞台は崖地に建つマンション。なぜか雨の晩にベランダに砂が積もってしまうというのが依頼人の持ち込んだ謎。これも真相は??・・・強引だろ! 因みに密室は回転しながら開ける部屋という仕掛け。 ③「DJルリカと四角い密室」=同窓会に出席したDJルリカがちょっと会場から離れた次の瞬間に参加者が消えてしまう・・・というのが今回の謎。で、閉じ込められる密室は四角形の堅牢な奴なのだが・・・ ④「メロデス美女とドアのない密室」=部屋から持ち物が次々と無くなる・・・というのが今回持ち込まれた依頼。同棲している男性が恐らく犯人なのだが、どうやって盗んでいくのかが不明、ということなのだが、真相は脱力感あり。性懲りもなく閉じ込められた密室は文字通り「ドアのない密室」(!)。 ⑤「密室魔と空中の密室」=これまで(①~④)、アマンと編集者を密室に閉じ込めてきたのが「密室魔」。ということで、今回は密室魔の正体が明らかになるとともに、究極の密室に閉じ込められることに・・・。そんなアホな! 以上5編。 これは・・・ダメだろっ・・・。 「密室」という謳い文句に惹かれてついつい手に取ってしまったのが運の尽き。 創元文庫もよくこんな作品出版したよなぁ・・・ 「密室」は事件の本筋とは全く関係なく、しかもたいした仕掛けがあるわけではない。本筋の方のプロットもかなり脱力感のあるものなのだ。 これでは高評価はできない。 作者はいったい何を狙ってコレを書いたのか? 鮎川賞受賞者ならもう少しレベルの高い作品を生み出して欲しい。 (ちょっと言い過ぎかな?) |