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[ サスペンス ] 誘惑者ピーター |
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アート・バーゴー | 出版月: 1989年04月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
早川書房 1989年04月 |
No.2 | 6点 | 雪 | 2020/04/20 09:27 |
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サウス・フィラデルフィアではここ数年のあいだに、十代の娘が何人も姿を消していた。警察はたんなる家出であり、捜査の手間をかけるまでもないとみなしていたが、人々はしだいにそう考えなくなった。娘たちが殺害されたとみなす人の数はしだいにまし、その考えは少女のひとりが無残な姿で発見されたことで、おぞましい現実となった。
テリ・ディフランコ、十五歳。古い鉄道の貨物倉庫で発見された彼女は後ろ手に手錠を掛けられ、ひざまずいた姿勢で後ろから犯された後、首にまいたステンレス・スティールのチェーンで絞殺されていた。遺体はまわりを蠟燭にとりまかれており、秘密の祭儀かお祝いの準備が整えられているような印象を受けた。 聞き込みからまもなく一人の男の存在が浮かぶ。覆面警官を名乗り銀色のスマートなスポーツカーを乗りまわす、黒い髪とあごひげをした男。飛行士用の眼鏡をかけた優雅なボーイフレンド、ピーター。彼は行方不明のほかの少女ともつきあっているところを目撃されていたのだが、性犯罪者を対象にした捜査線上には、手がかりは何ひとつ見つからなかった。 地元『グローブ』新聞社の女性コラムニスト、ローラ・ラムジーは、近所で起きたテリ事件の現場検証を機に、新聞記者としての使命感に燃えて事件を追うが―― 地元フィラデルフィア在住のミステリ専門書店オーナーである著者が、1988年に発表したサイコ・スリラー。原題 "THE SEDUCTION(誘惑)"。 〈九月〉〈十月〉〈十一月〉の三部構成で、女性記者のローラ、南部ニューオーリンズから北東部ペンシルヴェニアに、大型開発プロジェクトに参加するためやってきた不動産業者、フェリックス・デュクロイト。そしてフェリックスに父親の面影を見出し、わがものにしようとする驕慢な美女、ミッシー・ウェイクフィールド。この三人の関係を軸にして、ストーリーが展開していきます。ですが彼らにはそれぞれ暗い過去が秘められていて―― オーソドックスなネタですが、誤誘導はけっこう巧み。サイコパス関連のリサーチや人物造型もしっかりしています。犯行も細部まで作り込んであり、不自然さは感じません。ただ後味や読み心地は良くないですね。そっち方面のトリックやら、エゴ剥き出しの異常性やらはどうしても避けられないので仕方ないんですが。 皮肉な結末も含め、総合すると90年代のサイコキラー物としてはまずまずの出来。ただ類似の作品も多く、秀作というほどではないかな。 |
No.1 | 5点 | レッドキング | 2018/06/18 19:47 |
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面白かったし印象にも残っているが 話の半分位からサイコサスペンスになってミステリでなくなっちゃったのが残念 |