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[ サスペンス ]
眩暈を愛して夢を見よ
小川勝己 出版月: 2001年08月 平均: 4.50点 書評数: 2件

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新潮社
2001年08月

角川書店(角川グループパブリッシング)
2010年04月

No.2 5点 メルカトル 2019/12/15 22:15
大学卒業後、AV制作会社に就職した須山隆治は、撮影現場で高校時代の憧れの先輩・柏木美南と再会してしまう。その後、会社が倒産し、アルバイトをして日々を送る須山だったが、美南が失踪したと聞き、彼女の行方を追い始める。調査が進むにつれ明らかになる美南の悲惨な過去。同時に彼女の過去に関わる人物が次々と殺されていく。やがて事件は一応の解決を見せるが…。横溝賞受賞作家が放つ驚天動地の大傑作ミステリ。
『BOOK』データベースより。

多重構造、多視点、作中作など私の好むところの範疇に完全に入っています。その複雑な構成にはタイトル通り眩暈を起こしそうになりました。嘘ですけど。特に作中の合評会にて散々こき下ろされていますが、作中作は三篇共面白かったですね。その辺り中盤になるとかなりメタな展開が目立ってきます。これをどう着地させるかで、本作の評価ががらりと変わってくるものと思いながら読みましたが、結局最後は何がなんだか訳が分からない結果に終わり、凄く勿体ないと感じました。ここが綺麗に決まっていれば十分な傑作になったと思いますが、残念でした。

一人称で書かれた「僕」「おれ」「わたし」がそれぞれ一体誰だったのか、どこまでが虚構でどこからが現実なのか、書き切れていないのが何とも悔やまれます。最終的には読者に委ねられる形になっているようです。何かと未完成な印象が免れませんし、色々惜しい怪作という気がします。
が、果たして角川が新潮から版権を買ってまで文庫化するような作品なのか、疑問に思わずにはいられません。

No.1 4点 蟷螂の斧 2012/07/07 12:51
須山は、高校時代の憧れの先輩・柏木美南(現在AV女優)と再会したが、普通の人と結婚すると言い残し失踪してしまう。美南の行方を探すが、やがて美南の悲惨な過去が浮かび上がってくる。そして美南に関わった人物が相次いで殺されてゆく・・・。                                   奇作というのでしょうか、一読ではよく解りませんでした。作中作が突然出てきて、その論評がなされたりするものですから・・・。けしてつまらなくはないのですが、ミステリーとして評価すれば、題名から推測できるように反則技?ではあると思います。


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小川勝己
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