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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
失われた地平線
ジェームズ・ヒルトン 出版月: 1959年01月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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新潮社
1959年01月

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河出書房新社
2011年09月

河出書房新社
2020年01月

No.1 6点 Tetchy 2011/09/12 19:25
いち早くシャングリ・ラの環境に適応し、魅了されていくコンウェイと、世俗の考えを捨てきれず、ひたすらにシャングリ・ラからの脱出を願う若きマリンソン。本書の読みどころはこの対照的な2人の考え方がぶつかり合うところだと云っていいだろう。
そういう意味ではこれは冒険小説ではなく、思想小説の類に近いのではないだろうか。物語の導入部こそハイジャックされるというサスペンスがあるものの、物語の大半は楽園シャングリ・ラで繰り広げられる。西洋人の面々が東洋の仏教の考えに直面し、次第に感化されていくさまは、作者ヒルトン自身の趣向が反映されているのかもしれないが、発表当時は斬新だっただろう。
コンウェイの決断は物語の結末を読むと、裏目に出てしまったように書かれているが、しかし実行せずに後悔するよりも実行して後悔した方がいいという言葉のまま、突き進んだ彼は本望だったに違いない。


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ジェームズ・ヒルトン
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