皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] ボニーと警官殺し ナポレオン・ボナパルト警部 |
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アーサー・アップフィールド | 出版月: 1982年06月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 2件 |
早川書房 1982年06月 |
No.2 | 5点 | nukkam | 2016/07/08 19:32 |
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(ネタバレなしです) パトロールに出かけた方向とは全くはずれた場所で巡査の死体が発見された事件を扱った1953年発表のボニーシリーズ第19作です。地道な捜査と広大な舞台という組み合わせを上手に描いており、見えない探偵との競争的な趣向も印象的です。早い段階でボニーが堂々とヒントを述べるので犯人の正体が見当がつきやすくなっていますが、もともとこのシリーズは本格派推理小説といっても読者が犯人当てを試みる要素は少ないのでそこは仕方ないとあきらめるほかないですね(笑)。 |
No.1 | 5点 | mini | 2011/09/02 10:06 |
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いわゆるオージー・ミステリーで真っ先に名前が挙がる作家はやはりアーサー・アップフィールドだろう
そりゃさ例えばシドニーやメルボルンを舞台にして都会的なミステリーを書ける作家は居るだろうけれども、それではオージー作家としては魅力に乏しいよな 日本のミステリー作品が海外に紹介された場合、海外の読者は日本作家にどんな期待をするのだろうか 日本の読者が日本の国内作家に期待する事と言ったら昨今でも相変わらず新本格風な謎解き仕掛けばかりな風潮みたいだけど 海外の読者にとっては日本情緒とか風俗的な面も期待する要素なんじゃないかな そう考えると我々日本人がオーストラリアのイメージだとどうしても広大な大自然に期待しちゃうよなぁ、そりゃさ各国のイメージ先入観に囚われるのも良く無いが、そうかと言って大自然が一切出てこないオーストラリアの話ってのも魅力半減だしなぁ アップフィールドのナポレオン・ボナパルト警部シリーズは謎解き要素にはそれほど魅力は無いが、優れた人物描写や独特の暗い雰囲気や何と言っても舞台の広大な自然は各種名作リストにも名前が挙がる作家なのも肯ける この「警官殺し」は有名な「砂に消えた男」のような雄大なトリックが有るわけでもなくかなり地味な作だけど、「砂に消えた男」があの大トリック以外に見所があるかと言うとそうでもないので、まぁ出来としては良い勝負でしょ 個人的には重要な女性登場人物の造形など地味は地味なりに魅力はある作だと思う シリーズの未訳作は多々有るので各出版社さんお願いしますよ |