皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格 ] 大密室 (幻の探偵小説コレクション) ボアロー、ナルスジャックそれぞれが単独で書いた長編の合本 |
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ピエール・ボアロー、トーマ・ナルスジャック | 出版月: 1988年05月 | 平均: 4.00点 | 書評数: 2件 |
晶文社 1988年05月 |
No.2 | 5点 | ボナンザ | 2017/10/04 20:33 |
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三つの消失については先日書いたのでここでは死者は旅行中について。
まあ、真相はある有名作のパクリともいえるのだが・・・。某ミステリ風ノベルゲーム全8章にもいえるが、正直それ言い出したらなんでもありだろうと。 とはいえ心意気は買いたい。 |
No.1 | 3点 | mini | 2009/06/03 09:55 |
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発売中の早川ミステリ・マガジン7月号の特集はフランス・クラシーク・ミステール
便乗して仏産クラシーク本格を 合作前のピエール・ボアローが本格専門作家だったのは有名で、ナルスジャック単独の長編と一緒に『大密室』という単行本に収められている 第1の消失⇒美術館から絵画の消失、第2の消失⇒壁を通り抜ける人間の消失、第3の消失⇒走行中の自動車の消失 と消失がスケールアップする粗筋を聞いたら不可能犯罪系好みな読者は興味を示すだろうが、実は大して面白くない 特に第2第3の消失トリックは見かけが派手な分全くもってつまらない むしろ面白いのは第1の絵画の消失トリックで、これがその後のプロットと関係してくるあたりがミソで、この作品の唯一の取柄かも知れない このアイデアアを上手く活かしていれば、そこそこ面白い作品になってた可能性は有る まぁしかしながら所詮は単なるトリック小説なのだが、特に良くないのが犯人の設定で、例えば中盤で犯人グループの1人が取引交渉に現れる 犯人が複数であることは最初から判っているので、これはネタバレでもなんでもない 取引に持ち込むのには必然性があるのだが、これはネタバレになるから理由は明かせない 問題はグループの背後に黒幕の存在を匂わせながら、その正体が全く面白くない事で、私は無関係だった別の意外な人物まで深読み邪推したよ 結局フーダニット的な面白さまで”消失”してしまった 第1の消失トリック自体は折角面白いアイデアなのに、それが活かされてない下手糞なプロットなのは昔から分かっていたらしく、後に作者ボアローの了解を経て、ある作家がトリックの基本設定は活かしながらフーダニット面まで考慮した改善ヴァージョンを書いたらしいが、これ翻訳して欲しいものだ |