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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 大統領の晩餐 オヨヨ大統領 |
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小林信彦 | 出版月: 1974年01月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
角川書店 1974年01月 |
筑摩書房 1994年01月 |
フリースタイル 2019年07月 |
No.2 | 6点 | クリスティ再読 | 2020/04/12 11:29 |
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本作面白いけど、この頃の大人向けオヨヨだと、一番ミステリ色は薄いと思う。ほぼ剣豪小説、とくに「師匠と弟子」のパロディを軸に話が組み立てられている印象。ミステリ読者としては、料理人の高学林と矢野源三郎の関係よりも、現在は「千面鬼」と名乗る、引退した怪人二十面相とオヨヨ、年老いた明智と大人になった小林少年..の中盤のエピソードが好きだ。
むしろ、悪事を考えまい、考えまい、としている。すると、おのずから、透明な悪の世界がひらけるのだな いやいや千面鬼が到達した枯淡の境地、透明な悪の世界がひらけても、そのなんだ、困る(苦笑)。しかしこの境地も果て無き夢への執着の果てなのだ。 だって、きみは、怪人二十面相が好きだからさ。奴が死ねば、きみは、別な二十面相を創り上げるにちがいない。それで、夜も昼も、赤い夢を見て暮らすんじゃないかな... と明智先生の指摘は、もちろんこれ読者に向けられたものなんだ。戦後ニッポンの理想も現実もすべてひっくるめて、昭和元禄花見踊りに踊り狂った時代の、夢の総決算みたいなものである。けどね、本書に出てくるさまざまな料理は、この本が書かれた時代には「高級レストランでしか食べれない料理」だったんだけど、オヨヨがとくにピザに所望したモッツァレラだって、今はスーパーで買えてしまう。昭和ヒトケタが夢見た70年代の食の夢も、平凡な日常に還元されてしまった今となっては、兵どもが夢の跡、といった感慨を感じるね。そういえば渋谷のムルギーってこの本で名前覚えて食べに行ったんだったなあ。ちなみに今もある名店ですな。そのうちまた行きたいです。 料理道を極める矢野にならって、ミステリ道を評者も... (面白い?ミステリは面白いものとでもいうのか。いな、それは苦しいものでなければならぬ) 嘘うそ、ジョークです。求道小説じゃないからね(笑)楽しくやっていきましょう。 |
No.1 | 7点 | kanamori | 2010/08/10 19:57 |
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怪人オヨヨ大統領シリーズ第5弾。
前作の「密使」では影の黒幕だった大統領が、宿命のライヴァル・鬼面警部&旦那刑事と因縁の対決(笑)。 例によって、パロデイ&ナンセンス・ギャグに料理道のウンチク満載の陰謀ミステリです。今回は配下のでこぼこコンビのドタバタ劇で笑わせてくれます。 |