皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 燃える男 元傭兵クリーシィ |
|||
---|---|---|---|
A・J・クィネル | 出版月: 1982年08月 | 平均: 7.50点 | 書評数: 2件 |
集英社 1982年08月 |
集英社 1984年07月 |
新潮社 1994年12月 |
集英社 2000年04月 |
No.2 | 8点 | 斎藤警部 | 2017/06/25 17:47 |
---|---|---|---|
男の三面鏡は反射角がソッポを向いてんだ。いや、ありふれた言い草より遥かに広大な女と男の四面鏡は。。そんな柔軟構造の素敵な『価値ある復讐』力作長篇だ(何言ってんだか分かんねえ)。
条件どうしの和やかに不穏な噛ませ合いから始まって。。主役も相棒も某も魅力あるな。リカが異様に美人設定なのも納得だ。ほぼルックスだけで彼らとのキャラクター勝負に引き分けなきゃならんのだからな。なんて思っていたよ。。 ピンタ。。。。。。。 君の可能性よ。。 『島』でのあのキラキラした大離別のひとくさり。 と、その後の一連の。。更に某との乾いたようで情けの沁みる別れのシーンまで最高にジーンとさせられる。 再会の後のまた再会。トビウオの様な叙述遠近法。 最高の’オーライ’ がそこに。 クリーシィ(主役、燃える男、元傭兵の星)がドクター・フックなんてチャラい音楽を好むのは驚いた。ブルー・バイユーはロイよりリンダか。ジョニー・キャッシュは俺も好みだぜ(刑事コロンボにも犯人役で出てましたね)。 ところで、その”逆アイリッシュコーヒー”みたいなカクテル、胸騒ぎを唆すよ。 なかなか刺さる’チョイ役バカ’の極限臨界瞬殺推理には眼を瞠った。 最終局面がちょっとだけバタバタの尻すぼみだったかな。。しかしラストシーンとエピローグの簡潔な味わい深さは格別。全篇通して名作力作。 読んでみい! |
No.1 | 7点 | kanamori | 2010/04/24 17:56 |
---|---|---|---|
元傭兵クリーシィが主人公の冒険サスペンス、シリーズ第1作。
シリーズものですが、本書に登場するクリーシィは2作目以降とだいぶ人物造形が異なる。傭兵を隠退し人生の生甲斐を喪失した男の再生の物語で、マルタの島での戦士の休息と再生のエピソードが非常に魅力的で印象に残りました。ボディガードの対象となる実業家の幼い令嬢との交流から、終盤の壮絶な復讐戦へ移行するプロットが効果的で、一級品の面白さです。 |