皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] 殺人者はまだ来ない ジャーニンガムシリーズ |
|||
---|---|---|---|
イザベル・B・マイヤーズ | 出版月: 1983年02月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
光文社 1983年02月 |
光文社 1987年03月 |
No.2 | 6点 | nukkam | 2014/08/27 13:34 |
---|---|---|---|
(ネタバレなしです) イザベル・B・マイヤーズ(1896-1980)は米国の女性作家で、デビュー作の本書はあのエラリー・クイーンの「ローマ帽子の秘密」(1929年)と雑誌社の賞金コンテストで競合した本格派推理小説です。雑誌社の倒産問題もあって紆余曲折あったようですが、最終的には本書が賞金を獲得して1930年に出版されました。同じ本格派といっても都会風なクイーンとはかなり作風が違うので比較はあまり意味ないかもしれませんがサスペンス豊かで人物関係が整理されていて読みやすい点では勝っています。一方でゴシック・スリラーに通じるような雰囲気は好みが分かれるでしょうし、催眠術による自白場面などは当時の作品としても古臭さかったのではないでしょうか(但しちゃんと推理説明で解決しています)。個人的には起伏に富んだストーリー展開を楽しめました。意外だったのは光文社文庫版の翻訳者が山村美紗だったこと。 |
No.1 | 5点 | kanamori | 2010/06/05 17:46 |
---|---|---|---|
冷酷な大富豪の遺産相続をめぐる典型的な館ミステリ・・・という物語の滑り出しから、中盤になって前近代的な××術という禁じ手のアイテムが重要な役割を果たすようになって、ゴシック・サスペンス風の物語となります。
密室&アリバイ・トリックの解明など本格要素は充分にありましたが、本質的に古いタイプのミステリという感じでした。 クイーンの「ローマ帽子」との因縁とか翻訳が山村美紗という話題性はありますが、現在ではあまり評価できない内容です。 |