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[ 本格/新本格 ]
シーラカンス殺人事件
岡部警部シリーズ
内田康夫 出版月: 1983年08月 平均: 5.00点 書評数: 2件

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講談社
1983年08月

祥伝社
2017年06月

No.2 5点 E-BANKER 2018/04/01 21:02
去る三月十八日、八十三歳にてお亡くなりになった作者。
浅見光彦シリーズをはじめとして、数多くの作品を残された作者に敬意を評して・・・ということで本作をセレクト。
1983年発表で探偵役は初期作品らしく、警視庁の岡部警部。

~大東新聞学芸部記者・一条秀夫は、大東新聞が後援する<シーラカンス学術調査隊>に同行するため、南アフリカのコモロ・イスラム共和国へ特派された。だが、“巨大シーラカンス日本へ”という特ダネが大東新聞のライバル紙中央新聞の第一面を飾った。大東は完全に出し抜かれたのだ。その後、一条は突然姿をくらまし、調査隊員のひとり・平野の死体が発見された。凶器には一条の指紋が! 傑作長編ミステリー~

内田康夫というと、世間的には「浅見光彦」というイメージだろうね。
実際、あれだけ日本中の津々浦々を訪れ、各地の名所や名産、名物料理を紹介し、いつも若く美しい女性から好意を寄せられながらプラトニックに徹し、何十年間も“ソアラ”を乗り回し、そして母親に決して頭が上がらない男・・・
いやいや、浅見光彦は今回関係ないんだった。

初期作品にはこの岡部警部や信濃のコロンボこと竹村刑事(のちに警部)が主な探偵役として登場するけど、この二人をメインで書き続けてたらどうだったかね?
本作同様、ずっと硬派で真面目な作風だったのかな・・・
ひとつ言えるのは、間違いなくここまでの人気作家にはなってなかったろうね。
でも、そのせいでコアなミステリーファンからはそっぽを向かれる存在になってしまった。
個人的には・・・昔は旅のお供として手軽な読書にはうってつけの存在だったけど、最近はだいぶご無沙汰だったなぁー

というわけで、一応本作の書評もということなんだけど、うーん。
ひとことでいうと、可もなく不可もなくという感じかな。
もともと探偵役の捜査行を追っていくだけの読書になりがちだし、本作はアリバイトリックなどで多少の工夫があるとはいえ、サプライズなどとは無縁なプロット。
ただ、逆に言えば安心して読める。若い頃から抜群の安定感。
褒めるところはそれくらいか・・・
いずれにしても合掌。ご冥福をお祈りします。
(シーラカンスか・・・最近ぜんぜん話題に上がらないけど、どうなんだろ?)

No.1 5点 2013/12/18 22:32
巻末解説によると、作者が「最も愛着の深い作品」の一つとしている作品だそうです。実際シーラカンス捕獲を題材にした事件転回は、なかなかおもしろく読ませてくれます。
とは言え、気になる点があったのも確かです。岡部警部シリーズ作ですが、岡部警部以外の警察官がみんな間抜けというのは、名探偵役が警察官であるだけに、浅見光彦もの以上に好ましくないと思われるのです。何より、凶器のバットについていた指紋が現場状況からして犯人のものでない可能性がかなり高いと捜査本部が最初は認識していながら、その指紋の人物を犯人だと思い込んでしまうのは、いただけません。
この指紋に関する岡部警部の推理はクロフツ1930年台の某作品とよく似ていて、警察としては当然検討すべき問題のはずですし、死体処理トリックも海外古典的作品そのまんまということで、謎解き的にはたいしたことはありません。


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