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[ サスペンス ]
地獄のババぬき
しより&愛子シリーズ
上甲宣之 出版月: 2004年12月 平均: 6.50点 書評数: 2件

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宝島社
2004年12月

宝島社
2006年11月

No.2 6点 メルカトル 2014/04/05 23:44
前作の主要メンバー総出演の上、さらにアクの強い新キャラ達が登場し、にぎやかな作品に仕上がっている。
名神高速を走るバスがジャックされ、トランプのババ抜きで生き残る人質を順番に決めていくという、犯人の意味不明な要求に加え、それをTVで全国放送の生中継をするという前代未聞の事態に突入する。果たして犯人の真の目的は何か、という一見単純なストーリーのように思われるが、実はそこに至るまでにホラーやミステリの要素を盛り込んで、読者を飽きさせない工夫がなされている。
しかも、スピード感やスリルが効いているので、物語が盛り上がるのは間違いない。だが、残念ながら、肝心のババぬきの試合の模様が、やや冗長になってしまっているため、手に汗握るというわけにはいかない。ただ、マジックの技や心理戦、裏ワザなど様々な仕掛けが施されており、読み応えは十分である。単純なゲームだからこそ、読者を引き込む力を持っているのではないだろうか。
勿論、漫画のような設定に馬鹿馬鹿しさが先に立ってしまう読者にとっては許容できないかもしれない。私のような悪食、面白ければ何でもOKな読者には格好の暇つぶしになるであろう。

No.1 7点 ZAto 2009/10/21 01:21
まあ妙なキャラクターが一堂に会してババ抜きの勝ち抜き戦を展開するという内容は映画というよりもマンガそのもので、良識派には前作以上にキツイ作品かもしれない。
しかし、たかがババ抜きも命が賭かるとそれこそ息を呑む神経戦ギリギリの極限の場となり、ゲームの面白さと勝負心理の襞を徹底的に描くことで上甲宣之はさらに階段をひとつ上ったのではないか。
丁々発矢の駆け引きやいかさまの技術が次々と繰り出せる面白さは息つく間さえも与えないほどだった。

・・・ちとホメすぎたか。


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