皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
川の深さは |
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福井晴敏 | 出版月: 2000年09月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
講談社 2000年09月 |
講談社 2003年08月 |
集英社 2015年09月 |
No.2 | 6点 | 人並由真 | 2020/08/26 05:26 |
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(ネタバレなし)
元マル暴の刑事だったが故あって退職、今は生活のために雑居ビルの暇な警備業に従事する43歳の桃山剛。彼はある夜、ヤクザたちに追われる娘とその連れの怪我をした若者に出会い、成り行きから匿うことになった。娘・葵が感謝する一方、なかなか胸襟を開かない若者・保だったが、距離を置きながらも彼らを気遣って面倒を見る桃山の優しさは、次第に世代を超えた絆を育んでいく。だがそんな二人がいきなり隠れ場所から姿を消した。気になった桃山は彼らを探そうとするが、若者たちは驚くべき重大な秘密を抱えていた。 2003年に初版が出た講談社文庫版(現状では本サイトに登録のない)で読了。 結論から言うと、十分に面白かった。保たちが握る物語の鍵となる秘密は、どっかで読んだような気もしないでもないが、それでもかなり壮大な謀略だし。 (ちなみに、もしかしたら、この謀略のアイデアのネタ元は『亡国のイージス』のある部分と同様、とある「ガンダム」シリーズの一編からインスパイアされたんじゃないの? と思うけれど?) でまあ講談社文庫の巻末解説で、豊崎由美が「マンガのようだ」と称している中年主人公・桃山の熱血漢ぶりだが、個人的にはそっちにはまったく不満はない。というかそういうものを読みたくて手に取った作品だったので、そんな思いにしっかりと応えてくれた。 ただしその一方で、オジサンが読んでぶっとんだのは、メインヒロインの扱いの方。この場ではあんまり詳しくは書かない(書けない)けれど、これは童貞の高校生が書いた「ぼくの理想の(中略)な、女性像」か? と恥ずかしくなった(汗)。 正直、作者がもしも真顔でこれを書きたかったのだとしたら、なんつーか……「福井せんせい、ろまんちすとなんですね」と生温かい目でモノを言いたくなる。 いや、キャラ描写というものは<最終的にソコに行くにせよ>作劇上の段取りやカードの切り方というものがあるのだと、改めてつくづく実感した(大汗)。 豊富なネタでクライマックスを派手に盛り上げながら、情感豊かにまとめたクロージングは好印象、ではある。 |
No.1 | 6点 | E-BANKER | 2009/10/24 19:59 |
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作者の長編処女作。
主人公の保と元警官の桃山のコンビは、「亡国のイージス」の如月行と仙石伍長のコンビをもろに彷彿させます。 「亡国・・・」や「終戦のローレライ」を先に読んでから本作を読んだので、どうしてもこの2作と雰囲気がかぶってしまうし、前2作よりは落ちるなぁ・・・という印象になってしまいました。 それでこの点数ですが、決して面白くないということではありません。 |