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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
亡国のイージス
福井晴敏 出版月: 1999年08月 平均: 7.50点 書評数: 14件

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講談社
1999年08月

No.14 8点 itokin 2013/01/15 08:55
それぞれのキャラクター、心理描写、スピード、物語の構成と展開、どれを取っても1級品、圧倒的な筆力で最後まで一直線だった。少しスーパーマンなトコが気になったがこうゆう作品はこれでいいんだと納得した。

No.13 2点 江守森江 2010/07/23 10:04
終戦記念日に軍事関係作品をまとめて書評しようと思っていたのだが、その頃には猛暑で夏バテしてそうなので前倒しした。
共産党員な訳ではないが、戦争・軍事・国防に対して否定的な立場を取っている(理想は非武装中立)
完全な軍事作品ではないので「このミス」あたりがミステリーの範疇に含めるのはやぶさかではないが、私的なミステリーの範疇にはないのでポリシー通り2点。
先頃、友人宅で映画版を観たついでに図書館で原作もおさらいしてきた。
この手の作品は防衛省の予算獲得の為に存在しているとしか思えない。
自衛官にも勝手にやってろ!としか思えない私は非国民なのだろうか?
映画共々軍事アクション作品で、これがミステリーなら「ウルトラマン」もミステリーだなとも思った。

No.12 8点 E-BANKER 2009/09/15 22:14
乱歩賞受賞後第1作目。圧倒的スケールで描く、エンターテイメント小説の秀作。
日本推理協会賞受賞作。
~自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。1人息子を国家に撲殺され、それまでの人生を投げ打ち鬼となった男。祖国に絶望して謀反の牙を向く孤独な北朝鮮工作員。男たちの底深い情念が、最新のシステム護衛艦を暴走させ、1億2千万の民を擁する国家が成すすべなく立ち尽くす。圧倒的筆力が描き出す、慟哭する魂の航路~

これはスゴイ小説だ!
とにかく、何とも言えないパワー。これでもかというように、読者に迫ってきます。
イメージ的には、イージス艦版「ダイ・ハード」というのが分かりやすい(?)かもしれませんね。
(とすると、「ホワイトアウト」とも同種?)
紹介文にもあるとおり、登場人物たちそれぞれの思いが、最新鋭のイージス艦という舞台でぶつかり合う、そして・・・ドラマだよねぇ。
そして、たった1艘のイージス艦を前にきりきり舞いさせられ、立ち往生させられる政府。これなんて、現実に起こっても多分こうなるんだろうと思わされる。

終盤にかけては、圧倒的スピード感で、感動のラストまで一直線。
(これなんて、なんだかハリウッド映画を見てるようです)
とにかく、時間を忘れてのめり込んでしまうこと間違いなしの作品。お勧め。
(ただ、まぁミステリーとは呼べないなぁ)

No.11 5点 kai 2009/06/05 16:07
分厚さに辟易したけど、なかなか読まされました。
ただし、内容はようするにガンダムをもうすこしリアルっぽくしただけのものだから・・・ 別に感心はしないです。

No.10 7点 レイ・ブラッドベリへ 2009/03/28 02:25
 精神の侏儒…。

 たかだか三尺足らずの矮躯から見える風景は、自ずと三尺足らずの視点からの貧しいものにちがいない。歪んだ鏡は歪んだ景色しか映しださない。
 一見辛辣なようでいて、そのくせ何の謂われもない独善的な貶め言(おとしめごと)が、それを吐き出す自分の有能さを証してくれるわけではないだろう。
反面どんなに易しい言葉であっても、偽りのない心からの讃歌(ほめうた)は、聴く者の心を明るくする。

 政略のせめぎ合い…。いかに「悪」になれるかの戦い…。

 彼等が説くところの「国家」や「正義」とはフィクショナルな存在であり、「もの」としてしっかりと手中に把握できる実体はない。一方、これらを語る人間は、その身体の一部を弾丸に擦られるだけで、悲鳴をあげて床を転げまわる即物的な存在である。
 いかに強靭な精神力も銃の前には無力である。武装した敵に立ち向かうには、まずそれに対抗できる武器を手にすることだ…そして素手で戦いを挑むことの愚さを、何度も何度も語る…。

 …こうして人々は「精神」と「物質」の間を繰り返し行き来する。

 しかしこの本は、「銃口を人に向けて引き金を弾く時には必ず躊躇(ためらい)が生じる」ことを書いている。
そして、その躊躇いこそが「人が人であることの証なのだ」ということを、切々と語っている…ような…気がする…。

No.9 7点 kkk 2007/12/08 06:10
軍艦とか戦車とか銃とかそういったミリタリー系の物に一切興味がなかったんで買ったはいいけどしばらく放置してたんですが、ようやく読みました。おもしろかったです。自衛隊物はちょっとと言う人でも十分読める内容かと思います。専門用語も意外と苦になりませんでした。これミステリーか?と思いながら読んでましたが、確かにミステリー的要素もあって、驚かされました。

No.8 7点 カッパのサンペイ 2007/10/19 20:38
よく調べているな、という印象。スピード感もあり、長さも気にならず読むことができた。ただ、登場人物全員が、どうしてそんなに必死になっているのかが理解不能。また、漫画「沈黙の艦隊」のような雰囲気もあり、オリジナリティーが少々たりないような気もした。

No.7 7点 カッパのサンペイ 2007/10/19 20:38
よく調べているな、という印象。スピード感もあり、長さも気にならず読むことができた。ただ、登場人物全員が、どうしてそんなに必死になっているのかが理解不能。また、漫画「沈黙の艦隊」のような雰囲気もあり、オリジナリティーが少々たりないような気もした。

No.6 9点 akkta2007 2007/09/25 20:31
知らず知らずの間に物語に引き込まれ、ついつい先が気になり、読み出すと止まらない作品であった。
初めての福井作品であったが、とても満足した。
登場人物のひとりひとりに個性があり、それなりの責任があり、またそこに物語がある。納得できる作品であった。
長編であるため、途中でだらけてしまいそうな場面に遭遇したが、後半の盛り上がりは大変良かった。
別の福井作品もぜひ読んでみたいと思う。

No.5 9点 tudor 2005/08/27 03:43
福井さんの小説はこの亡国のイージスが初めてでした。物語の最初からどんどん惹きこまれました。現代の日本の情勢を物語りの中に取り込みながら、そこに登場人物達のそれまでの人生を巧みに投影させて核心に迫っていく・・・。 特に細部のリアルな描写と場面場面の緊迫感は最高でした。
是非、他の福井さんの小説も読んでみたいと思います。

No.4 9点 ラッキー 2004/10/14 09:48
テーマや人物描写など読み応えたっぷりの素晴らしい作品。前半はちょっとだるいが、ある部分からは一気に読ませる。
映画化されるようだが、期待ハズレになる可能性大。(あの如月を演じるのは難しいだろう)

No.3 10点 2 2004/08/31 00:38
すばらしい作品です

No.2 10点 りんりん 2003/08/09 20:04
福井さんがテーマとしてとりあげるのはいつも自衛隊についてということは気になりますが、前作に比べて確実に読みやすさもアップし、作品のもつ魅力に引き込まれました。読めば読むほど引き込まれ、とても面白かったです。

No.1 7点 しゃんてん 2003/07/12 16:56
 感じたのは、作品の最初から最後まで、同じ世界観が漂っていること。その世界観を構成しているのは、上手くかけないが弱肉強食と勧善懲悪、浪花節、男のロマン、そういったものをごちゃ混ぜにしたようなものだと思う。どの登場人物もその世界観に基づいて行動しているような気がする。登場人物は背景が違い、思想も考え方も違うのだが、いずれもなんと言うか、男のロマンめいたものには敏感に反応する。兵士達は己の艦を救うために戦い、その姿を見て政治家達もあっさりと改心するといった具合に。
 この作品全体、登場人物全員に漂う世界観に虚構くささを感じたが、同時に面白さも感じた。とにかくエネルギッシュでひきつけられるのだ。
 そして、先がどうなるか分からない緊迫感も持ち合わせている。時折、ミステリ的なトリックが仕掛けられているがそれもこの小説の緊迫感を高めている様に思った。


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