皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] メリリーの痕跡 ウィリアム・ディーコン |
|||
---|---|---|---|
ハーバート・ブリーン | 出版月: 2009年06月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
論創社 2009年06月 |
No.1 | 6点 | mini | 2013/07/12 09:56 |
---|---|---|---|
来る15日は”海の日”である、今年はカレンダーの曜日配列の都合でいつもより一週間近くも早いが、気象天候って上手く辻褄合わせるもので梅雨明けも例年に比べて早かったから、結局のところ海の日には梅雨明けしてるわけだねえ
”海”と言えば”船”、そこで私的読書テーマの1つ船上ミステリーである(強引だぁ-苦笑) ハーバート・ブリーンと言えば「ワイルダー一家の失踪」などで不可能興味とオカルティズムによってカーの後継者と言われがちな作家である この”カーの後継者”という称号は、当時の乱歩がその手の作家を探していた時期に丁度良い頃合で登場したが為に貼られたレッテルらしく、ここにも乱歩の悪影響が・・ 当時の日本の本格主義読者をがっかりさせた要因としてよく言われるのが、トリックの陳腐さとオカルティズムの中途半端さである トリックの陳腐さはまぁ大目に見るとして、オカルト現象が雰囲気作りに全然寄与していないのが一番の欠点かも知れない しかしである、もしかしたら作者がオカルト要素を入れるのは最初からおどろおどろしい雰囲気を醸し出そうという気がないのかもしれない、わざわざ舞台を大都会に置いている作も有るようだし さてそこで「メリリーの痕跡」である、これは初期の探偵役レイノルズ・フレイムに代わって雑誌記者ディーコンを探偵役に据えた第2作で、後期と言うより作者のミステリー長編最終作でもある アメリカン本格にしては元々デビューも40年代後半と遅いブリーンだが、「メリリー」は1960年代の作で、最早黄金時代本格の流れで見るのは不適当だろう 予知能力というオカルト現象も扱いながら、それを怪奇色には全く使おうとしない姿勢、そして何より都会的で洒落た会話の連発 これだよな!ハーバート・ブリーンという作家の本来の資質はね、こういうのが書きたかったんだろうな ちなみに重要な登場人物メリリー・ムーアは、当時のセクシー系人気女優で、最初は端役からスタートし、っていう設定 そうですモデルはマリリン・モンローです |