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[ サスペンス ] 夜明け前の時 |
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シーリア・フレムリン | 出版月: 1961年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
画像がありません。 東京創元社 1961年01月 |
東京創元社 1992年03月 |
No.1 | 6点 | mini | 2014/03/06 10:00 |
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* 1914年生まれ、つまり今年が生誕100周年作家を漁る
一昨年が当り年過ぎたせいか、昨年の生誕100周年作家は2~3名の大物作家は居たものの中堅どころが寂しく豊作とは言えなかった 今年の生誕100周年作家は昨年にも増して不作で、総数は多いものの大物と言える作家が殆ど居ない、どちらかと言えばマニアックな作家ばかりな印象だ その中で唯一大物作家と言える存在がフレムリンなのである 私的読書テーマ”生誕100周年作家”を漁る、第1弾はシーリア・フレムリンだ ミステリーの歴史に於いて時々エポックメイキングな作品が登場してきた エポックメイキングというのはただ単に傑作という意味ではない、その時代を象徴するような1つの潮流を作り出すとか、突然変異のように現れた衝撃性のある作品の事だ フレムリンの「夜明け前の時」もそんな作品で、今でも女流サスペンス作家の話題が出ると、”あの「夜明け前の時」のフレムリン”という言い方をされる事が有る つまりそれだけ衝撃的作品の登場だったわけだ とこう書くと、何やら凄いサプライズでも有るのか?、とそういう方向性ばかりを求める読者の気を引きそうだが、「夜明け前の時」には何のサプライズも無い、単なる普通のサスペンス小説である、じゃぁ何がエポックなのか? 戦後のアメリカには3大女流サスペンス作家と呼ばれる御三家が存在する、アームストロング、ミラー、マクロイだ しかしフレムリンはそのどれにも似ていない、極めてドメスティック色が強いのだ 御三家の中では比較的に日常生活に忍び寄るサスペンスを描いたアームストロングでさえもドメスな感じが強いとは言えず日常生活から遊離した面にサスペンスを仕掛けている フレムリンは御三家と違って強烈なドメスティック性が有り、それまでのサスペンス小説には無かった分野を開拓したのである、つまりこんな日常生活的な中にもサスペンスを表現出来るという意味で そしてさらにエポックなのは作者フレムリンが英国作家だという点だ それまでアメリカ一辺倒だったサスペンス小説の分野に、後にレンデルが登場する以前に英国女流作家が進出した先駆者なのである フレムリンの英国作家らしからぬアメリカ産サスペンス小説っぽい作風は、CWA賞ではなく受賞したのがMWA賞であるのを見ても分かる もし女流サスペンス作家の”神セブン”を挙げろと言われたら、先ほどの御三家以外に同じアメリカのサスペンス女王M・H・クラークが入るだろうが、英国勢からはレンデルと並んで絶対に入れるべきサスペンス作家がフレムリンなのである え、あと1人は?だって、それは総選挙をしてみないと・・ |