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[ 本格/新本格 ]
雨月荘殺人事件
和久峻三 出版月: 1988年04月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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中央公論社
1988年04月

中央公論社
1996年09月

No.1 7点 nukkam 2016/02/07 03:50
(ネタバレなしです) ジョー・リンクス原案、デニス・ホイートリー著の「マイアミ沖殺人事件」(1936年)に代表される捜査ファイルシリーズに影響を受けて1988年に発表された「公判調書ファイルミステリー」です。ホイートリーの二番煎じと批判される方もおられるとは思いますが、完成に5年をかけて発表されただけあって細部に至るまで丁寧に作り上げられた、(変な表現ですが)一級の二番煎じ作品です。私が読んだのは約550ページから成る双葉文庫版ですが、前半の100ページほどが6回に渡る市民セミナー、残り約450ページが10回に渡る公判調書の構成となっています。読者は市民セミナーの講師の指示にしたがって公判調書で使われる専門用語を学ぶと共に事件について推理できる仕掛けとなっています。現場図や写真も用意されていますが圧巻は証人たちの証言で、これが一癖も二癖もあるところが本書をミステリーならしめています。動きや感情の表出の描写がないため小説らしさを犠牲にしているのはやむを得ませんが、単に記録を後追いするのではなく読者が推理に参加できる本格派推理小説として完成度は非常に高いです。


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和久峻三
2002年11月
ひまわり時計の殺人
平均:5.00 / 書評数:1
1994年09月
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1988年04月
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