皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格 ] ライラック・ホテルの怪事件 少女探偵ナンシー・ドルー |
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キャロリン・キーン | 出版月: 2008年11月 | 平均: 4.00点 | 書評数: 1件 |
東京創元社 2008年11月 |
No.1 | 4点 | nukkam | 2016/06/28 17:21 |
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(ネタバレなしです) 1930年発表のナンシー・ドルーシリーズ第4作です。亡くなったエドワード・ストラッテメイヤー(1862-1930)に代わり、彼の娘であるハリエット・S・アダムズ(1892-1982)が概要を作りミルドレット・ワート(1896-2002)が執筆して完成されています。これまでの作品の中では登場人物が多くプロットも複雑で、小学校低学年クラスの読者にはやや難解でしょう(もっとも今の子供は私の子供時代より聡明な子が多いから本書程度は苦にしないかもしれません)。ただ「古時計の秘密」(1930年)や「バンガローの事件」(1930年)などで描かれていた、薄幸の人を助ける喜びの要素が本書はやや希薄です(もちろん事件解決を喜ぶ人はいますけど)。むしろ犯人(というより敵といった方がいいかも)の凶悪ぶりの方が印象に残ってしまいました。今回は未遂事件も含めると相当の悪事を働いていますので。 |