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[ ハードボイルド ] 氷の天使 キャシー・マロリー |
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キャロル・オコンネル | 出版月: 2001年05月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2001年05月 |
No.2 | 6点 | mini | 2016/03/15 09:59 |
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先日に創元文庫からコリン・ワトスンやアイリッシュ「暁の死線(新装版)」などと同時に、キャロル・オコンネル「ウィンター家の少女」が刊行された
その作家比較内で、他に代表的なシリーズが存在しているにも関わらず、特定のノンシリーズ作だけが突出して読まれている作家が結構数多く居るが、オコンネルなどはまさにそんな作家だろう そのノンシリーズ作とはもちろんあれだが、最近ではこのミスで「愛おしい骨」が1位を獲得して久々に話題を集めた しかし「愛おしい骨」もまたノンシリーズなんだな どうもノンシリーズだけが話題になってしまうタイプの作家なんだろうけど、しかし作者を代表するシリーズはやはり刑事キャシー・マロリーである 今回創元から出た「ウィンター家の少女」もマロリーシリーズである 当サイトでkanamoriさんも言及されているように、実はあの「クリスマスに少女は還る」より以前にキャシー・マロリーのシリーズ第1作が翻訳刊行されていたのである ところがその時点では殆ど話題にならなかった まぁ理由は分からなくもない、と言うのも出版社が翻訳ミステリーでは地味な存在の竹書房だったのもあるが、私が思うもう一つの理由が翻訳題名なのである 実は正しい正しくないの議論で言えば、竹書房版が当初付けた「マロリーの神託」という訳題の方が原題的には正しいのである、作中に霊媒やら降霊会まで出てくるしね しかし世の中、正義が勝つとは限らない、「マロリーの神託」では読者に訴えかけてくるような魅力が無かったんだろうなぁ、邦訳題名の良し悪しで手に取ってもらえるかどうか結構差が出るんだよねえ あの「クリスマス」だって、本当は原題通り「囮の子」が正しいんだ、2つの意味を表しているからね、「クリスマスに少女は還る」では一方の意味だけしか表現していない しかしもし「囮の子」という題名だったら日本で人気作になったかどうか 創元てさ、必ずしも正しくないんだけど上手い訳題付けるなってのが多い、やはり編集部の独特のセンスなんだろうな 「氷の天使」、ううん気になる題名だ、主人公マロリーの性格を表しているのだろうが オコンネルの場合は内容の前に文章について言いたい、というのも「クリスマスに少女は還る」がかなり読み難い文体だったからね たしかに「氷の天使」も、何行か読み進めないと各段落の冒頭だけだと意味が取りにくいなど「クリスマス」と同様の欠点が有る しかも文章の達人が書いたって感じではなく、ただ作者が文章上の技巧を見せ付けようとした底の浅さを感じさせてしまうのが嫌いだ ただ過去と現在起きている事件との両立も重要な「クリスマス」に対して、「氷の天使」では現在起きている事件だけが対象だから、時制が分かり難いという作者の弱点が感じられず、「クリスマス」よりは読み易い気はした 内容だけど、う~んこれ迷うね、一応主人公が警察官だから私は警察小説に投票したが、異論もあるかもしれない、まぁ個人的にはハードボイルドよりは警察小説の方が若干適切かなとは思うけど やはり海外作品には、”女性探偵”というジャンル区分が欲しいな |
No.1 | 6点 | kanamori | 2010/10/15 18:03 |
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NY市警のクールな女刑事マロリーシリーズの第1作。
だいぶ前に竹書房というマイナーな版元から文庫で出た「マロリーの神託」の改題・新訳版。「クリスマスに少女は還る」の評判がよくて、急遽再販されたのでしょう。 元ストリート・キッドが養父母に引き取られ、刑事である養父同様に刑事(探偵)になるという経緯は、ニール・ケアリーの女性版という感じですが、クールでストイックな美貌の天才ハッカーという造形はニールとだいぶ異なります。 正直、本筋の事件の真相はあまり憶えていないが、マロリーと彼女を見守る周辺の人々との交情(特に養父の旧友3人組がいい味)が読み心地のいい物語にしています。 |