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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
極大射程
スワガー・サーガ
スティーヴン・ハンター 出版月: 1998年12月 平均: 8.25点 書評数: 4件

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新潮社
1998年12月

No.4 8点 あびびび 2014/06/19 16:59
途中、饒舌でやたらページを使っているところがあるが、それが最後にはすっきり。イライラした分、爽快さは半端ではなかった。

この手の冒険小説は、ロバート・ラドラムが傑出していると思っていたが、終始緊張感を持続させる物語の流れで、まるで映像を見ているような感覚に陥った。それと、ゴルゴ13を思い出したのは、当然と言えば当然か。

No.3 7点 mini 2013/07/02 09:58
先日、扶桑社文庫からスティーヴン・ハンター「極大射程」が刊行された、今日2日の予定日だったはずだが早まったのか?
ああ復刊ね、と思った貴方、解ってませんよ~、”扶桑社文庫”ですよ、扶桑社
そうです、「極大射程」と言えば元々は”新潮文庫”と相場が決まっていたわけで、つまり翻訳者と出版社を変えての新訳再登場なのだ
「極大射程」については内容の話などよりも、出版社と権利関係の話を抜きにしては語れない

その前にそもそもスティーヴン・ハンターのデビュー作は「極大射程」ではないのである、作者を超メジャー級に押し上げた作ではあるが、あくまでもスワガーサーガというシリーズの第1作なのであって、ノンシリーズ作品を「極大射程」のずっと前から書いている
ノンシリーズ作品は早川も1冊手掛けているが、新潮社・扶桑社それぞれ数冊手掛けていて、新潮文庫「真夜中のデッド・リミテッド」と扶桑社文庫「ダーティホワイトボーイズ」はこのミスにもランキングしている
そこでスワガーサーガであるが、何と扶桑社文庫で出たシリーズ2作目「ブラックライト」は「極大射程」よりも先に日本で翻訳刊行されており、これもこのミスにランキングしている
そして満を持して新潮文庫から翻訳刊行された「極大射程」でついにこのミス1位を獲得したわけだ
ところが不思議な事に、シリーズ2作目以降は全て扶桑社文庫なのに、第1作目の「極大射程」だけが新潮文庫なのだ
扶桑社サイトでの編集者のつぶやきによると、新潮社の権利は期限の無い翻訳権なのだそうだ、無期限というのは大変珍しく、普通は7年とからしいのである、もちろん版権を持つ出版社が期限が来る毎に更新する場合が多いのだろうが
扶桑社としては売り上げ№1の「極大射程」を指を咥えて見ているしかない状況だったわけだ、それが何故?、権利を買い取ったのか?、扶桑社か新潮社の方、このサイト閲覧してたら教えて欲しい
扶桑社の人は、「極大射程」の売り上げについて、何しろ相手は大手だから、と言っていたが、う~ん、それは認識が甘い言い訳だぞ
そりゃ映画化の影響も有るだろうさ、でも最大の要素は邦訳題名の上手さの差だよ
原題はおそらく『着弾点』くらいな意味だろうが、これに「極大射程」という題名を付けた新潮社のセンスの勝利だな
たしかに何だろう?と興味引く題名だよな、遠距離射撃というテーマにも良く合っているし
大体さぁ扶桑社は日本語訳題の付け方がダセえんだよ、例えばさ、コージー派作家マクラウドの権利を創元から引き継いだろ、扶桑社文庫になってから突然にダサい題名になっちゃってさ、あれで創元からのファンが引いた気がするなぁ

で内容なんだけど(苦笑)、これが銃器オタクな面とスリラー小説的要素とのバランスが取れてる名作だった
銃器に関する薀蓄が無かったら平凡でありがちなアクション・スリラーだったろうし、逆に作者の銃器趣味が前面に出過ぎていたらつまらないヒーロー小説になっていたかも知れない
その辺の配分がぴったり嵌ったのだろう
また読む前の先入観なんだけど、手掛けているのが扶桑社と、そしてもう1社が大手出版社の中でも政治思想的に右寄りと言われる新潮社だけに、そんな感じなのかなと思っていた
しかし全然右翼っぽくないんだよな、いやむしろ逆みたいな

No.2 10点 itokin 2012/10/24 16:46
まさに最高!これほどドキドキわくわくさせられた作品は今まで数点しかない今年出会った最高作だ。幾重にも張り巡らされた伏線と罠、戦闘場面の描写、機知にとんだ会話、男と女の関係、最後の盛り上がり、感動等、完璧だった。

No.1 8点 ZAto 2009/11/02 22:41
とにかくスワガーが体現する英雄的な行動は、緊張に彩られながらも呆れ返るくらいに爽快であり、
サスペンスフルな権謀術数、ここまでやるかというド派手な戦闘、さらにラブロマンスを折り混ぜながら、
ラストに「あっ」といわせる大ドンデン返しと“物語主義者”たる私は完璧に作劇に乗せられてしまうのだが、
これだけエンタティメントの要素を全部たたみかけてられても「精緻」と「静謐」であるという最初の印象は壊されることもなく、今もスナイパーたちの孤独とプライドが残影として目に浮かぶような気分でいる。


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