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[ 法廷・リーガル ] 囮弁護士 キンドル郡サーガ |
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スコット・トゥロー | 出版月: 2000年09月 | 平均: 7.50点 | 書評数: 2件 |
文藝春秋 2000年09月 |
文藝春秋 2004年11月 |
文藝春秋 2004年11月 |
No.2 | 7点 | YMY | 2022/08/20 22:52 |
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ロビー・フェイヴァーは、キンドル郡に法律事務所を構える弁護士。ある日、連邦検察官の訪問を受けた彼は、囮捜査を持ち掛けられる。
そこまでやるか、と思わせるFBIの囮捜査の策略に、まず舌を巻く。事件のでっち上げから、盗聴、盗撮まで作戦の用意周到ぶりには、リーガル・サスペンスの面白さがたっぷりと詰まっている。また登場人物の内面をあぶり出し、事件をめぐり揺れ動く人間ドラマとしても優れている。 |
No.1 | 8点 | Tetchy | 2008/11/05 14:57 |
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今回はキンドル郡の法曹界に蔓延る贈収賄事件の一斉摘発がテーマ。
贈収賄に関わる判事ら、特に首席裁判官であるブレンダン・トゥーイを摘発せんとセネット判事はその中心人物の一人、ロビー・フェヴァー弁護士を囮としてFBI捜査官と共に手練手管を使って証拠を掴み、容疑者の連鎖の綱からトゥーイを捕まえようと企む。 主人公は題名にもあるとおり、囮となる弁護士ロビー。プレイボーイで口達者な一筋縄でいかない曲者弁護士として描かれるが、彼の根底にあるのはルー・ゲーリック病に冒され、日々衰弱していく妻ロレインへの愛だった。 各登場人物がそれぞれの相手に抱く愛情が濃厚に物語を彩り、単なるリーガル・サスペンス以上の読み応えを感じさせる。 登場人物一人一人の人生や信条が非常に色濃く描かれ、読後しばし陶然となった。 本作にちらっとしか出てこないジリアン・サリヴァンという人物が次回作では主人公の1人となり、トゥローのキンドル郡サーガは巻を増すごとにどんどん人物相関が充実してくる。一度シリーズを読み終えたら最新作から第1作へ遡って読むとさらにキンドル郡を愉しく歩けるのかもしれない。 |