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[ クライム/倒叙 ]
狼は天使の匂い
デイヴィッド・グーディス 出版月: 2003年07月 平均: 6.50点 書評数: 2件

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早川書房
2003年07月

No.2 6点 mini 2013/09/13 09:53
”13日の金曜日”、という原題ではなくクレマン監督での映画化時の題名である
ちなみにセバスチャン・ジャプリゾに「ウサギは野を駆ける」という作品がありポケミスでも翻訳刊行されているが、実はグーディスのこの作品を脚本化したものである
1913年生まれ、今年が生誕100周年作家を漁る、第3弾は番外編として映画監督ルネ・クレマン監督の2回目、クレマン監督も生誕100周年である、「狼は天使の匂い」は後期の監督作品だ

ノワール系のアメリカ作家の中には本国アメリカよりもフランスで受けた作家が存在する、同じクレマン監督の代表作『太陽がいっぱい』の原作者パトリシア・ハイスミスもそんな作家だ
ただ世界的な人気作家ハイスミスに比べるとデイヴィッド・グーディスは本国でも人気作家とは言えずフランスだけの人気作家それも映画絡みといったところだろう
空さんも述べられているように全体に内面心理描写が多く、行動中心に描くか内面描写に踏み込むかがアメリカ人受けとフランス人受けとを分ける1つの要因なのかも知れない

No.1 7点 2010/03/26 21:51
フランス映画界で人気のグーディス。原尞の解説で、映画は本作を元にジャプリゾが脚本を書いたものだと知ったのですが、グーディスとジャプリゾが私の頭の中でごっちゃになっていたところがあったということは、以前にそのことをどこかで読んでいたのかもしれません。クレマン監督による映画は見ていないのですが、映画粗筋を読むと、登場人物設定を除き全く別物になっています。
小説は、完全に主役の青年ハートの視点から書かれていて、彼の心理描写がたっぷりあるのが特徴です。彼の目から見られた犯罪者一味のボス、チャーリーがなかなか魅力的に描かれています。ハートが警察に追われることになった殺人の顛末が最後近くになって回想の形で明かされますが、ちょっとした意外性がありました。
原題"Black Friday"(13日の金曜日)からもうかがわれるなんとも暗い結末が余韻を残します。ただ犬の問題だけは、説明を安易に放棄してしまっているとしか思えませんでした。


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