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[ サスペンス ] 血まみれの月 刑事ロイド・ホプキンズ |
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ジェイムズ・エルロイ | 出版月: 1986年08月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
サンケイ出版 1986年08月 |
扶桑社 1990年07月 |
No.1 | 6点 | 空 | 2014/12/24 23:39 |
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ロイド・ホプキンズ・シリーズ第1作で、ケネス・ミラー(ロス・マク)に捧げられています。訳者あとがきによると、エルロイはチャンドラーやロス・マクを読んで文章表現を勉強したそうですが、それにしてはこれら2巨匠とは、文章がかなり違います。本来ハードボイルド文章は気取っていても、ストイックなところがあるものですが、エルロイには抑制よりもむしろ誇張されたような表現が多いのです。
抑制がきかない、自制心がないのは、主役のホプキンズ部長刑事にも言えることです。作品紹介には「上司からも部下からも見放され、〈静かな狂気〉と化した…」と書かれていますが、静かとは言えませんし、最初からかなり非常識な人物です。対する連続殺人犯「詩人」は〈激しい狂気〉とされていますが、これも疑問。むしろ同じ狂気でも根底にあるのが「善」と「悪」の違いというだけのように思えます。そんな善悪の戦いのサイコ・サスペンスとして、この評価。 |