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[ 本格 ]
斜陽館殺人事件
アンティ・ブジュレーシリーズ
P・J・フィッツシモンズ 出版月: 2026年07月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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東京創元社
2026年07月

No.1 6点 nukkam 2026/08/04 03:40
(ネタバレなしです) 英国出身でフランス在住しているP・J・フィッツシモンズはゴーストライターとして長年活動していたようですが自作として書く作品は「P・G・ウッドハウスのスタイルによる不可能犯罪ミステリ」を目指したそうで、それが結実したのが2020年出版の自己名義によるデビュー作である本書です。私はウッドハウスが英国では誰でも知っているユーモア小説家であることを知識としては知っていますけど著作を1冊も読んでいないので本書がウッドハウス風かどうかは判断できませんが会話にはユーモアがにじみ出ており、名探偵役のアンティ・ブジュレー(Anty Boisjoly)の饒舌で飄々としたキャラクターはドロシー・Ⅼ・セイヤーズのピーター・ウィムジー卿を連想しました。作中舞台は1928年の英国で、時代描写はそれほど濃厚ではありませんが印象的な不可能犯罪トリックは当時だからこそ成立したように思われます。容疑者たちの事件当時の位置関係の確認がメインとなる前半はやや地味な展開ですが(屋敷の見取り図は欲しかったです)、第11章で謎解きが大きく前進するあたりから一気に面白くなりました。「The Case of the Canterfell Codicil」という風変わりな英語原題も意味深で、何となくシリル・ヘアーの「英国風の殺人」(1951年)を彷彿させます。


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P・J・フィッツシモンズ
2026年07月
斜陽館殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1