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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 亜細亜の曙 本郷義昭 |
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| 山中峯太郎 | 出版月: 不明 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
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![]() 三一書房 1991年06月 |
![]() 河出書房新社 2018年12月 |
| No.1 | 6点 | クリスティ再読 | 2026/06/18 22:51 |
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| なんとなく気になって読んでみた。
三一書房「少年小説体系」なので、余裕があったら人並さんオススメな「黒星博士」もするかもね。 月報に横田順彌氏が一文を寄せていて「現代世界でジェームズ・ボンドがやっていることは、もうとっくのむかしに、本郷義昭がやっているのだ」とまで書いているよ(苦笑)いや本当にやっていることは和製007。潜入して捕えられて、敵の首領との駆け引きの中で脱出の機会を窺う話。敵は⚪︎国が南洋に築いた、恐怖鉄塔を擁する巌窟城に立て籠る怪傑。対する本郷義昭は中国人に化けて潜入するが、その絶大な能力がバレて身元を暴かれる(苦笑)ボンドガールはいないが、同じく恐怖鉄塔に囚われの身のインドの黒人王子ルイカールが相棒。この巌窟城は日本進攻のための軍事拠点であり、毒ガス工場もあったりするが、日本が開発した無限自進機(要するにロケット弾)の図面を奪って研究し試作していたりする。液体空気を推進力として、それが爆発する新兵器。描写はSF度高いが、内容はかなりリアルに第二次世界大戦の新兵器を反映しているね。怪力線という光線が新兵器キーになっていて、これが三種類あるという話からすると、放射線のαβγ線の三種みたいなイメージかな。 でパブリックイメージだと大アジア主義ってイメージ悪いけど、本作あたりは当然、インド人・中国人と一緒にアジアから植民地主義者の白人を追い出そう、というのがベース。中国人は⚪︎国人側についているのもいるけど、白人でもドイツ人は味方。なかなか現金に情勢を反映している。派手な活劇が続き、最後は大爆発で巌窟城は崩壊。 そりゃ本郷義昭、スーパーマンだけど嫌味がないな。北辰一刀流の皆伝で剣侠児の異名があって、「本郷剣侠児」と呼ばれたり、「わが本郷は」とか地の文で贔屓されたりとか、講談調の語り口は古臭いが、筋目の通った胆力ベースの駆け引きで絶体絶命のピンチを切り抜けていく。チートと感じるようなことはない。 だから本郷はなかなかヒーローとしてカッコいい。ご都合主義は仕方ないが、意外に危機の連続が過ぎてメリハリが薄い。語り口が過剰なのでやや疲れるところがある。 まあそれでも、完全に007だよ。そう見ると、なかなか凄い。 |
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