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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
ハックルベリー・フィンの冒険
マーク・トウェイン 出版月: 1959年03月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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新潮社
1959年03月

光文社
2014年06月

No.1 7点 クリスティ再読 2026/03/24 11:04
さてちょっと古典。子供向け冒険小説というイメージが強いけど、「トム・ソーヤーの冒険」よりずっと辛口。「トム・ソーヤーの冒険」で得た財宝をせしめようと、アル中の親父が舞い戻ってきたハック。アル中親父の暴力的な生活にジムが隷属されている状況から始まるんだ。中産階級のトム・ソーヤーとは全然違う生活がそこにある。そしてハックは自らの死を偽装して幽閉から逃亡する。道連れは浮浪児ハックを引き取った里親の妹で、宗教的にも厳格で口うるさいミス・ワトソンの所有する黒人奴隷ジム。この二人連れがジムの奴隷の立場を解放するために、北部に逃れようとするけども、筏しかないために一旦ミシシッピ川を川下りして..という冒険譚。

ミステリ的興味、というとやはりハック自身が自分の死を偽装して逃亡するあたりとか、途中で行を共にする詐欺師二人組が企む詐欺の成り行きやら、難破船の中で遭遇するギャングの制裁場面やら、なかなか悪漢小説的な面白さがある。ハードボイルドの源流みたいなものでもあるわけだ。後半合流するトム・ソーヤーも、お気楽に少年ぽい空想に耽るキャラとして描かれて対比も強く、貧困家庭育ちのハックのリアリズムの強靭さが目立つことにもなる。

「よし、それだったら、おれ地獄だって行ってやる」
そいつぁ恐ろしい考えだし、恐ろしい言葉なんだけど、おれもその通りに言ってしまったんだ。そしてまた、言った通りにしといて、取り消すこともしなかった。

とハードボイルドなキャラクターの萌芽はハックにあると言ってもいいんじゃないかな。アメリカン・リアリズムの源流といっていい小説なんだよ。

ただ今は本作で頻出する「Nigger」がポリコレで引っかかっている。しかし、ハックと二人三脚で冒険を共にしたジムの人間性と、ハックから見たら「無学な黒人」でも事実上大人としてハックを保護しているかのようなジムの立場の逆説的な面白みが、形式的な「黒人差別」の非難を不当とするものであることも間違いない。
(あと、EQが得意とする、女装の見破り方は多分本書が元ネタ。このロフタスおばさん、ハックの針の糸の通し方、物の投げ方、膝の上に受け止める時の受け止め方などなど、指摘ポイントがEQよりずっと細かいよw)


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マーク・トウェイン
1961年02月
マーク・トウェイン短編集
平均:6.00 / 書評数:1
1959年03月
ハックルベリー・フィンの冒険
平均:7.00 / 書評数:1