皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ サスペンス ] 殺し屋の営業術 |
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| 野宮有 | 出版月: 2025年08月 | 平均: 6.75点 | 書評数: 4件 |
![]() 講談社 2025年08月 |
| No.4 | 7点 | mozart | 2026/05/16 21:04 |
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| 謎解き要素はあまりなくて所謂「本格ミステリー」ではないのかも知れませんが、ストーリー展開がスピーディでとても読みやすくページをめくる手が止まりませんでした。近年の乱歩賞作品の傾向からするとやや異色作と言えるのかも知れません。
絶望的な状況に置かれているはずの主人公(鳥井)ですが、全く落ち込んだり死にものぐるいで足掻くなんてことはなく、営業マンとしてのスタイルを貫いていて、ダークな内容にもかかわらずラノベのようにスイスイ読み進められました。最後に「強敵」である(ドSの)鴎木美紅をじわじわと追い込んでいく展開もむしろ「爽快」といってもいいほどでした。 |
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| No.3 | 8点 | みりん | 2026/04/18 08:15 |
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| どこにいっても営業成績トップのサラリーマンは、殺し屋請負業の世界でも通用するのかという話。
アウトローな世界であっても、主人公の異常性が徐々に際立つ様が面白い。煽りのスキルも一級品。殺し屋界のライアーゲーム。話の掴みから最後までずっと面白いという奇跡の作品。ベスト主人公賞。エンタメの王。2025年度の新刊で1番面白いんじゃねと思って、「このミステリーがすごい」の順位を確認すると意外にも18位。マジ? |
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| No.2 | 6点 | まさむね | 2026/01/27 21:59 |
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| 第71回江戸川乱歩賞受賞作。
殺し屋の営業という設定に、まずは惹かれます。展開は軽快かつスピーディ。ダークさとコミカルさの配分も好みです。終盤に向かって加速していき、ピークとなる周防商会・鴎木美紅との駆け引きも良。 質の高いエンタメ作品で、映像化にも向いていそうです。 |
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| No.1 | 6点 | パメル | 2025/11/01 19:07 |
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| 第71回江戸川乱歩賞受賞作で、営業というビジネスの要素と殺し屋という犯罪サスペンスを独自に融合させた異色作。
主人公の鳥井一樹は、「ノルマを達成できなかったことが一度もない」と豪語する一流の営業マン。しかし、どれだけ売り上げを上げても心に虚しさを感じる日々を送っていた。そんなある夜、アポイント先で死体を発見するところから転がり始める。背後から襲われ、気づくと殺人請負会社「極東コンサルティング」の殺し屋たち・風間と耳津に口封じのため殺されそうになっていた。だが、ここから鳥井が本領を発揮する。自分に銃を突きつけている相手に命を懸けた商談を始めるのだ。 「殺し屋の営業」というこれまでにない設定がこの作品の最大の特徴で、殺されそうになった瞬間に営業トークを始めるという斬新さに惹きつけられた。また随所に散りばめられた営業トークや、ビジネス理論(パレートの法則、カクテルパーティ効果など)が、殺し屋との交渉や裏社会での駆け引きに活用されていく様は、ビジネス書のような説得力さえ感じさせた。 また、ずっと心に空虚を抱えて生きてきた鳥井が、ルール無用の文字通り命懸けの裏社会で能力を存分に発揮することで、生き生きしていくところが痛快。論理とハッタリが飛び交う騙し合い、仕掛け合いの頭脳戦が読ませる。鳥居をはじめ、極東コンサルティングの風間、耳津、籠原や周防商会の女性エージェントの鴎木美紅と相棒の殺し屋・百舌などキャラクターたちも個性豊かで魅力的である。終盤は、やや強引に感じたが、ある案件で敵対することになる鴎木美紅と百舌とのコンゲーム的展開は、ラストまでハラハラさせられた。 |
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