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[ 本格 ]
真犯人はこの列車のなかにいる
アーネスト・カニンガムシリーズ
ベンジャミン・スティーヴンソン 出版月: 2025年09月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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ハーパーコリンズ・ジャパン
2025年09月

No.1 6点 nukkam 2025/10/17 08:26
(ネタバレなしです) 2023年発表のアーネスト・カニンガムシリーズ第2作で、オーストラリアを縦断する豪華列車「ザ・ガン」を舞台にしているところはエマ・ダーシーの「殺され急ぐ女たち」(2002年)を連想させます。第1章で「本書はフェアな推理小説」と宣言し、さらには「犯人の名前はここから百三十五回出てくることを前もって知らせておこう」とまで宣言しています(もっとも解決編や後日談での回数までカウントしていますけど)。ただ「死体の数は九」は余計な宣言でしたね。死者数には過去の列車事故による死亡も含まれており、登場人物リストの人物が9人死ぬわけではないので。とはいえ第25章ではある人物を犯人候補から除外していますがその理由が「中盤まで登場しなかったため。フェアなミステリー作品の犯人ではありえない」というものですし、第31.5章が「読者への挑戦状」の役割を果たしていてフェアな謎解きにこだわった本格派推理小説です。作家イベントの中での殺人ということで駆け出し作家であり探偵役のアーネストの苦労と奮闘ぶりがよく描けています。ちょっと前例のない(少なくとも私は知りません)皮肉たっぷりのエピローグも面白いです。


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ベンジャミン・スティーヴンソン
2025年09月
真犯人はこの列車のなかにいる
平均:6.00 / 書評数:1
2024年07月
ぼくの家族はみんな誰かを殺してる
平均:7.00 / 書評数:3