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[ 短編集(分類不能) ]
邪馬台国と黄泉の森 醍醐真司の博覧推理ファイル
醍醐真司の博覧推理ファイル  『黄泉眠る森 醍醐真司の博覧推理ファイル』を改題
長崎尚志 出版月: 2015年03月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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新潮社
2015年03月

新潮社
2017年09月

No.1 6点 メルカトル 2023/12/21 23:14
創作中に姿を消したホラーの鬼才を捜してほしい。その依頼が全ての始まりだった。邪馬台国最大の謎に挑み、最後の“女帝”漫画家を復活させる。映画マニアの少年を救い、忌まわしき過去の事件を陽光のもとに―。傍若無人にして博覧強記、編集者醍醐真司が迫りくる難題を知識と推理で怒涛のように解決してゆく。漫画界のカリスマにしか描けない、唯一無二のミステリ。
『BOOK』データベースより。

漫画の編集者が探偵役という事もあり、何とも言い表せない雰囲気を持った連作短編集。第一話はホラー漫画家の失踪を幾つかの謎を残しながら、その行方を推理しその気にさせるのが命題。第二話は傲慢な女漫画家との対決であり、彼女を懐柔していく心憎さも醍醐は見せています。そして、諸説ある邪馬台国はどこかを独自の視点で推理し指摘する、博識ぶりを発揮します。第三話は少年安蘭との交流の中で、マニアックな映画の蘊蓄を披露。第四話では第一話の謎の部分にスポットを当て、ホラー漫画家椋(むく)の少年時代の事件を鮮やかに解決します。

という訳で、多様な分野に造詣の深い異色の探偵像をここでは築き上げています。タイトルにもある様に、一応邪馬台国の謎と11歳の少年少女が絡む事件がメインで、ややどっちつかずで中途半端な印象が無きにしも非ずです。
それでもミステリとして又エンターテインメントとして、一定の評価が出来る作品だと思います。強烈なインパクトを残すかと言われると否と答えるしかありませんが、まずまずの佳作ではないでしょうか。


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長崎尚志
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