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[ 本格 ]
永久の別れのために
ジャーヴァス・フェンシリーズ
エドマンド・クリスピン 出版月: 2000年09月 平均: 6.50点 書評数: 2件

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原書房
2000年09月

No.2 6点 nukkam 2015/08/11 15:49
(ネタバレなしです) 英国のエドマンド・クリスピン(1921-1978)は1944年のデビュー以来、ほぼ年1作の安定したペースで作品を発表してきましたが長編第8作にあたる本書を1951年に発表後、長期間沈黙します。次作が発表されたのは何と1977年です。作家業以外の仕事が多忙になったためとも言われますが本格派推理小説ファンとしては実に残念なことです。さて本書は特別に不可能性を強調しているわけではありませんが凶器のアリバイが成立するという変わった謎が扱われ、意外なトリックが使われているのが印象的です。

No.1 7点 2012/05/26 19:14
クリスピンは、かなり前に『消えた玩具屋』を原書で読み始めたものの、凝った英語表現に音を上げて、すぐに挫折してしまった記憶があるだけだったのです。翻訳でも、やはり凝った文章は少々読みづらい。
この作家についてよく指摘されるユーモアは、本作では地方警察署長が飼っている猫がほとんど引き受けてしまっています。全体的には、容疑者にされた人物の視点から描かれたサスペンスものにも近いようなタッチで、どうやら他の作品とは雰囲気が異なるようです。
解決部分の直前までは、中傷の手紙に悩まされる村の雰囲気、自殺事件を経て、半分近くになって起こる殺人事件、疑惑とサスペンスの盛り上げと、これは傑作だと思いながら読み進めていったのでした。ただ真相を明かされてみると、犯人の設定に多少不満なところもありました。
ところでこの作品、ディケンズ生誕200年で話題の『エドウィン・ドルード』がらみのところがあったんですね。


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エドマンド・クリスピン
2013年03月
列車に御用心
平均:7.00 / 書評数:4
2004年05月
大聖堂は大騒ぎ
平均:5.00 / 書評数:2
2000年09月
永久の別れのために
平均:6.50 / 書評数:2
2000年05月
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平均:6.00 / 書評数:3
1995年04月
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平均:7.00 / 書評数:6
1957年01月
金蝿
平均:6.00 / 書評数:2
1956年01月
消えた玩具屋
平均:5.75 / 書評数:4