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[ 本格/新本格 ]
人形島の殺人
呪殺島秘録シリーズ
萩原麻里 出版月: 2023年01月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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新潮社
2023年01月

No.1 6点 人並由真 2023/08/02 07:18
(ネタバレなし)
 幼馴染で同じ大学の学友、そして「呪殺島」がらみの二つの殺人事件にともに関わった女子・三嶋古陶里(みしまことり)が、妙な書置きを残して姿を消した。僕は、彼女の行先である「壱六八島(いろはじま)」もまた、あの呪殺島の一つなのだと知る。島に乗り込んだ僕は、いきなり不可解な殺人事件に遭遇した。

「呪殺島秘録シリーズ」第三弾。
 単品でここから読んでもいいけれど、シリーズ先行作品のうっすらネタバレっぽい点もないではないので、どうせなら第一作から順々に読むことをオススメする。

 シンプルな大技ひとつ(しかもわかりやすい)に寄りすぎた前作『巫女島』に比べ、登場人物を増やして見せ場を多くした印象。さらにメインヒロインの古陶里と主人公の関係性にも、今回ここで、ひとくぎりがつく。
 謎解きフーダニットとしては、正直、ごちゃごちゃしている割に、意外性にはしっかりこだわった作り。その分、いくつかのサプライズがいささか唐突に思えた。
 一方で、連続殺人でメインキャラの頭数が減っていくこともあって、犯人の意外性などは、あまりない。

 力作だとは思うけれど、一方で<そういうもの>風に仕立てた<横溝っぽい作品>度の度合いは、今回もかなり強かった。
 シリーズは今後も続くだろう(それ自体は希望だ)が、前述の通り、主人公コンビにも今回で何かと一区切りがついたので、第四作目からは何らかの新しい風を入れてくれることを期待。

 最後に、本シリーズの大枠、昭和B級スリラー風パズラーの雰囲気は、決してキライではない。


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萩原麻里
2023年01月
人形島の殺人
平均:6.00 / 書評数:1
2021年12月
巫女島の殺人
平均:4.50 / 書評数:2
2020年05月
呪殺島の殺人
平均:5.20 / 書評数:5