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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] エミールと探偵たち エミール・ティッシュバイン/別題『エーミールと探偵たち』 |
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エーリヒ・ケストナー | 出版月: 1953年09月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
岩波書店 1953年09月 |
1960年11月 |
岩波書店 1962年07月 |
岩波書店 1974年02月 |
講談社 1975年01月 |
岩波書店 2000年06月 |
No.1 | 7点 | クリスティ再読 | 2022/09/05 22:46 |
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「消え失せた密画」が面白かったので、そういえば....と本作。戦前からの児童向けの大ロングセラーである。子供の頃読んだんだっけ?
エミールはベルリンのおばあさんの元に一人で旅をすることにした。母からはおばあさんへの仕送りの120マルクをことづかって汽車に乗ったのだが、エミールが居眠りした隙に、コンパートメントで相客となった山高帽の紳士に盗まれた! エミールはその紳士を追跡する。その中で出会ったベルリンの少年たちがエミールの手助けを申し出た! 子供たちの大作戦の行方は? という話。エミールは父を亡くして、美容師の母が一生懸命働いて自分を育ててくれていることをよく知っていて、その母のなけなしの仕送りだからこそ、何としてでも取り返そうと奮闘する。そして、警笛を持ったリーダー格のグスタフ、頭のいい教授、チビだが親が電話を持っていることから連絡役として待機し続ける火曜日くんなどなど、いろいろな背景の街の子供たちと交流して、盗んだ山高帽の紳士を追い詰めていく...そんな友情の話が、なかなかリアルな背景で描かれる。印象的なのはそういう細部に手を抜いていないことで、ベルリンの「都会」というイメージをしっかりと定着しているあたり。 犯人はともかくも、エミールの周囲の大人たちはみな温かい善意の人たち。そんなユートピアの光景が、懐かしく感じられる。いいじゃん。世界にはまだこんなにも「善意」が残っているのである。 |