皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 短編集(分類不能) ] 壁 |
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安部公房 | 出版月: 1954年01月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
角川書店 1954年01月 |
集英社 1964年01月 |
新潮社 1969年05月 |
新潮社 1972年05月 |
文藝春秋 1982年05月 |
ポプラ社 2015年01月 |
No.1 | 7点 | 虫暮部 | 2021/02/03 12:00 |
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「第一部 S・カルマ氏の犯罪」は裁判ネタ。フランツ・カフカ『審判』よりはかなり読み易くストレートに楽しめる。
第一部と言っても本書は長編ではなく中短編のアンソロジーに近く、中でも「洪水」が面白い。全体を纏めるものとして『壁』と掲げたのは、読者にとっては親切な道標でも、作者にしてみれば割り切りを強いられたようなものだったのでは。ピンク・フロイドの壁は“分断”だけれど、こちらは“固定”。輪郭が消えてしまうと何処までが自分だか判らなくなっちゃうんだよね。 |