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一色さゆり | 出版月: 2020年03月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
幻冬舎 2020年03月 |
No.1 | 7点 | HORNET | 2020/07/12 16:56 |
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東京美大は、美術教育における日本の最高峰。画家の父をもち、幼い頃から絵画一辺倒だった猪上詩乃は、その中でも最も厳しいと定評のある油絵科の森本ゼミに入った。提出する課題にも罵倒の嵐、想像以上に厳しいゼミで、詩乃は同じゼミの同僚3人と競い合う日々。しかし森本ゼミには、数年前にゼミ生が発狂して放火したという噂があり、その小火のあとが部屋に生々しく残っていた―
才能とは何か?芸術とは何か?そのことにもがき苦しむ美大生4人の青春群像劇。同僚と励まし合う一方で、才能に嫉妬したり、あきらめたり。ゼミ生4人のキャラづけがはっきりしていて、その人間模様を描くストーリーは面白かった。 ゼミの森本教授の人間性、真意が最後に開陳されるのだが、予想の範疇でありながら読後感の良い終わり方で、悪くなかった。 |