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[ 短編集(分類不能) ]
シャーロック伯父さん
ジョージ・クラウダーシリーズ
ヒュー・ペンティコースト 出版月: 2020年05月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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論創社
2020年05月

No.1 5点 nukkam 2020/05/29 20:54
(ネタバレなしです) アメリカのサスペンス小説家ヒュー・ペンティコースト(1903-1989)は長編ミステリーを90作以上書いた多作家ですが、本書の論創社版の巻末解説によると長編よりは短編、短編よりは中編の評価が高いそうです。とはいえ生前に出版された短編集は10冊にも満たないのですが。1970年発表の本書は長編6作で活躍する元検事のジョージ・クラウダーシリーズの唯一の短編集で、中編1作と短編7作が収められています。収録作品の一つでもある「シャーロック伯父さん」こそコナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズを意識していますが地方色の濃い舞台描写といい、アンクル・ジョージに私淑する甥のジョーイ・トリンブルの存在といい、全体としてはむしろメルヴィル・D・ポーストのアブナー伯父シリーズを連想します。残念ながら本格派系の作品は謎解き手掛かりの提示が後出しだったりと作者がこのジャンルを得意としていないことを感じさせますが、それでもアンクル・ジョージの経歴が紹介されている上にジョージやジョーイまでもが容疑者になってしまう「ハンティング日和」やユーモア混じりの締め括りが印象的な「ミス・ミリントンの黒いあざ」は楽しめました。サスペンス系ではまさかの人情物語になだれ込む中編「我々が殺す番」が出色です。


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ヒュー・ペンティコースト
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