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嫌われ松子の一生
山田宗樹 出版月: 2003年01月 平均: 5.50点 書評数: 2件

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幻冬舎
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2004年08月

No.2 5点 バード 2020/11/04 19:53
本書の感想は全て「松子をどう感じたか」に集約されると思う。私は、
「松子は極悪人ではないが愚か。また、打算的で私個人は好きになれないタイプ」
と感じた。これは、おそらくとてもメジャーな感想だろう。

松子が好きでないのもあり、作品自体の評価もそこそこ。ただし、松子視点と甥の笙視点の繰り返し構成による、リーダビリティの高さはお見事である。

No.1 6点 メルカトル 2019/10/08 22:22
三十年前、松子二十四歳。教職を追われ、故郷から失踪した夏。その時から最期まで転落し続けた彼女が求めたものとは?一人の女性の生涯を通して炙り出される愛と人生の光と影。気鋭作家が書き下ろす、感動ミステリ巨編。
『BOOK』データベースより。

読む前は何らかの理由で嫌われるようになった松子の、幼少期からその命を終えるまでが描かれているのだと思っていましたが違いました。中学校の教師時代から始まり、50代になった松子が惨殺されるまでが群を抜くリーダビリティで描かれています。数々の男たちに翻弄され、流転し、堕ちていく姿が生々しく悲惨な人生。ツイていないのもありますが、悉く男を見る目がなく、自ら身体を許してしまったりもしており、流されていく一生は目まぐるしく感情移入の余地はありません。
ただその最期だけはあまりに不条理で悲惨です。
今で言えばいわゆるイヤミスの部類に入ると思いますが、まあミステリのようなもの、ですので、その意味では期待できませんが、あまり深く考えずあくまでエンターテインメントとして楽しむのが正しいのかなと感じます。

随分前から気になっていた作品だったので、今回読めたのは良かったですが、若干えぐみが足りなかった感触でした。かと言って決して薄味ではないのです、内容としては十分映画化やドラマ化に耐え得るものでしょう、実際そうなっていますし。ちょっと下世話な不幸話が好きな日本人には持って来いの素材だとは言えそうですね。


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