海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 時代・捕物帳/歴史ミステリ ]
開化鐵道探偵
元八丁堀同心・草壁賢吾
山本巧次 出版月: 2017年05月 平均: 8.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


東京創元社
2017年05月

東京創元社
2021年02月

No.1 8点 ALFA 2025/08/07 09:00
職歴30有余年の元鉄道マン山本巧次による鉄道ミステリー第一作。

時は明治12年、鉄道の黎明期。ところは大津、逢坂山のトンネル工事現場。
すでに開通している大阪京都線をさらに延伸する重要地点で怪事件が頻発する。
鉄道局の高官から捜査を委嘱されたのはなんと元八丁堀の切れ者同心。考えてみれば維新から10年あまり、元同心はたくさん居ただろうから不思議はない。
助手にあてがわれたのは鉄道局技手見習。こちらも貧乏御家人の息子。
江戸者の探偵コンビに、長州閥の鉄道局、薩摩閥の警察、大阪の商社、掘削を担う生野銀山の鉱夫たちが入り乱れての本格ミステリー。
テンポのいい文体で物語が展開する。
個々のトリックもさることながら、黒幕を含めた事件の構図そのものに説得力がある。

終盤の真相開示は「さて、皆さん・・・」のポワロスタイル。
見事に犯人を挙げた元同心に、敬意と悔しさ混じりの敬礼をして犯人を引っ立てていく薩摩出の警部は、まさにホームズとレストレイド。
考証も確かで読みごたえのある鉄道ミステリーの快作。


キーワードから探す
山本巧次
2024年01月
災厄の宿
平均:6.00 / 書評数:1
2023年11月
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 抹茶の香る密室草庵
平均:3.50 / 書評数:2
2023年05月
急行霧島: それぞれの昭和
平均:6.40 / 書評数:5
2022年01月
満鉄探偵 欧亜急行の殺人
平均:6.00 / 書評数:1
2021年11月
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう ステイホームは江戸で
平均:6.00 / 書評数:2
2021年08月
開化鐡道探偵 第一〇二列車の謎
平均:6.00 / 書評数:3
2020年01月
希望と殺意はレールに乗って アメかぶ探偵の事件簿
平均:5.00 / 書評数:1
2017年09月
阪堺電車 177号の追憶
平均:8.00 / 書評数:1
2017年05月
開化鐵道探偵
平均:8.00 / 書評数:1
2015年08月
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう
平均:6.33 / 書評数:3