皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格 ] 誰かが嘘をついている |
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カレン・M・マクナマス | 出版月: 2018年10月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2018年10月 |
No.2 | 7点 | 猫サーカス | 2022/04/19 18:43 |
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携帯電話をクラスに持ち込んだ罰で理科室に集められた五人の生徒たち。その生徒の一人、高校のゴシップ掲示板(裏サイトアプリ)の運営者サイモンが持病のピーナッツアレルギーで死亡。どうやら水を飲んだコップに仕込まれていたらしい。主人公たち四人は、全員がサイモンのアプリで暴かれたくない秘密を持つ、学年でも注目度が高い生徒たち。そして警察がサイモンの殺人事件を捜査していく中で、彼らが語りたがらない秘密が暴かれていく。徐々に変容していく彼らの日常。その中で描かれるのは、ハイスクールという小さなコミュニティで生きる彼らのどうしようもない生きづらさや、抑圧された人間性。そして事件が解決される過程を通してそれらが解消・昇華されていくという、群像的な青春小説として非常に優れた構成となっている。また、ミステリとしてはサイモン殺害の動機が、作品のテーマと繋げられているという意味では丁寧なホワイダニットが感慨深い。四人の高校生たちの秘密の正体が四人それぞれ異なるように、人それぞれに青春期の「抑圧」の形があることを思わせてくれる。 |
No.1 | 6点 | nukkam | 2018/12/19 21:20 |
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(ネタバレなしです) 米国の女性作家カレン・M・マクナマス(1969年生まれ)の2017年発表のデビュー作で30ヶ国以上で出版されたほどの成功作です。居残り学習を命じられた5人の高校生の1人が急死し、残りの4人が有力容疑者となります。物語はこの4人の1人称形式で進みますが、警察やメディアからマークされ、周囲の多くは彼らを嫌い逮捕を待ち望みます。作中で表現されてますがまさに「魔女狩り」の雰囲気が強く、とても重苦しいです。家族関係や交友関係も大きく様変わりし、容疑者とわかっていても彼らの行く末はどうなるのだろうと気になります。人間ドラマとして充実している分、ミステリーらしさが希薄に感じられる時もありますが終盤は本格派推理小説らしい謎解き議論もあってサスペンスも高まります。ミステリーとしてより青春小説として高く評価されそうな内容ですがベストセラーになったというのも納得です。ヤングアダルト向けと紹介されていますが、もっと幅広い読者層にお勧めだと思います。 |