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[ SF/ファンタジー ] 栞と紙魚子の生首事件 栞と紙魚子 |
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諸星大二郎 | 出版月: 1996年09月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
朝日ソノラマ 1996年09月 |
No.2 | 6点 | メルカトル | 2019/08/11 22:26 |
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一応ジャンルとしてはホラーです。絵は何と言うかへたうまな感じで、本気で書けばプロの漫画家だから無論上手いんでしょうが、故意に適当に描いているような印象を受けます。ただ、主役の女子高生二人組にしても変に美化せず、どこにでも居そうな雰囲気を出している辺りはセンスでしょうかね。しかも、二人のスタイルの微妙な違いや制服姿の自然な感じというか、腰が異様にくびれていたりせず、むしろダボッとした野暮ったさがリアリティを与えています。
ストーリーは総じて脱力系で、本当は怖い話なんだろうけど何故か笑えるみたいな感じです。例えば『生首事件』、たまたまゴミ捨て場で見つけた生首を興味本位で家に持ち帰った栞は古書店の娘である紙魚子の持ってきた『生首の正しい飼い方』なる本を参考に、水槽で生首を飼うという無茶苦茶な展開で、大したオチもありません。しかし、こんな誰も考えないような事ばかり書き続ける作者の、まさにコロンブスの卵的な発想には目を見張るものがあります。絵自体の迫力もまあそれなりで、楽しめるのは間違いないと思います。兎に角栞と紙魚子ののほほんとしたボケぶりを堪能出来、再読に耐え得るところが良いんじゃないでしょうか。 |
No.1 | 7点 | 弾十六 | 2018/12/01 19:11 |
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栞と紙魚子シリーズ第1弾 初出ネムキ1995年〜1996年掲載。kindleで読了。
怪奇っぽいけどほのぼのしてしまう連作。主人公の少女たちのキャラも良く、怪異過ぎず現実過ぎない程よいファンタジーです。ラヴクラフト・ファンもきっと楽しめると思います。 収録作品及び初出(全て隔月刊の少女ホラー雑誌「ネムキ」に発表): 一言とファン評価 「生首事件」1995年 Vol.23: 栞のボケぶり ★★★★☆ 「自殺館」(じさつやかた) 1995年 Vol.24: 店主が良い ★★★★★ 「桜の花の満開の下」1995年 Vol.25: よくある話 ★★★☆☆ 「ためらい坂」1995年 Vol.26: 自転車の二人乗り ★★★☆☆ 「殺人者の蔵書印」1995年 Vol.27: よくある話 ★★★☆☆ 「ボリスの獲物」1996年 Vol.29: ヨグが良い ★★★☆☆ 「それぞれの悪夢」(ナイトメア) 1996年 Vol.30: ボリスが結構アレです ★★★☆☆ 「クトルーちゃん」1996年 Vol.31: 段先生の妻が良い ★★★★☆ 「ヨグの逆襲」1996年 Vol.32: ネタ的には二番煎じ ★★★☆☆ 「ゲッコウカゲムシ」1995年 Vol.28: 最近の子は影踏みなんてやらないのかな ★★★☆☆ 巻末には「胃の頭町イラストマップ」付きです。 |