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[ 本格/新本格 ]
長く短い呪文
ミリア&ユリシリーズ
石崎幸二 出版月: 2001年09月 平均: 4.57点 書評数: 7件

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講談社
2001年09月

No.7 5点 メルカトル 2024/02/07 22:13
呪いがテーマとなっている割りに、陰惨な空気がほとんど感じられません。
やはり物足りないのは、事件らしい事件が起こらない事。これでは本格ミステリを読んだ気になりませんね。それを補って余りあるのは、ミリアとユリ、石崎の掛け合いではなく、幼気な双子の姉妹が可愛くて癒されるところですね。この二人の露出度が高く、凄く無邪気で素直な言動に好感を覚えました。

ミステリとしては地味であまり誉められたものではありませんが、伏線を回収し論理的に詰めていく過程が一応読みどころですかね。少々強引な部分がないではないです。まあでも、結果全て丸く収まって、事件を未然に防いだトリオの活躍は、殺人ありきのミステリとは一線を画しているので、その辺りは評価すべきかもしれません。
あまり私の好みではないです。笑えるシーンもそこそこで、本シリーズのらしさは出ていると思いますが、今まで読んだ中では最もつまらなかった作品ですね。

No.6 5点 ミステリ初心者 2023/08/22 19:25
ネタバレをしております。また、シリーズ過去作品のネタバレも一部しております。

 非常に読みやすいユーモアミステリとして重宝しているシリーズです。ユリ・ミリア・石崎の会話はほとんど漫画のように読めます。特に、"小野妹子は叙述トリック"にはなるほどそうか!と思いました。初めて叙述トリックを読んだとき、それこそ男女の性別の錯視のタイプを読んだときには驚き騙されましたが、我々日本人はすでに小野妹子で一度それを味わっていたのですね!

 推理小説的部分について。
 前作は殺人もあり、推理小説として厚みもあったのですが、今回はすこし薄味です。これだけ左右の話が出ていて、右手左手などのワードも出ると、いろいろ考えてしまうのですが、初めから左右を逆に教えられていたとは全く思いませんでした(これもブラフでしたがw)。
 また、最後にどんでん返しがあったのもよかったです。"飛行機に包丁やハサミを持ち込めない"というロジックからブラフを暴くのも論理的ですね! 私はこれに気づかなかったですw 石崎によるヒントもあったんですけどねw

 総じて、読みやすい作風と、どんでん返しの前の論理的なヒントが良い作品でした。ただ、過去作よりもやや本格度はおち、短編にギャグを練りこんで長編にした感じはありますね;

No.5 4点 江守森江 2010/03/07 22:34
この作品に関しては概要が記憶に残っていた。
最後まで事件らしい事件が起きずに、「呪い」の真相とその先の捻りを推理し未然に防ぐ名探偵ぶり。
しかし、使い古された利き腕(左右)や双子をアレンジしてもミエミエ過ぎた。
本格ミステリとしてだけなら最低レベル手前な3点だが、導入部での日本史に絡めたミステリ解釈ギャグの数々(小野妹子&小野小町→叙述&伏線、鎖国→密室、平城京→館物など)は爆笑物だった(+1点)
笑う為だけに存在するミステリーは、ある意味貴重なのかもしれない!

No.4 5点 由良小三郎 2002/10/14 16:05
僕にとっては、気分転換用の石崎幸二さんという感じです。この作品では、ギャグが後半少ないのでやや期待外れです。漫才トリオ以外の人物の書き込みも少ないし、メインの理由の部分もやや平凡です。

No.3 7点 しゃん 2002/09/12 17:28
会話が面白い。
「小野妹子は叙述トリック」というのには笑ってしまいました。
真相も面白い割りに分かり易く、最後まで楽しんで読めた。

No.2 4点 ねずみとねこ 2002/09/06 16:41
・この作品だけ読んだらそこそこなんですが、石崎作品を読んできた自分としては、「あぁ、やっぱりいい作品を続けて書くのは難しいのかなぁ」と思うくらい、前作、前々作に比べると良くないと思います。
・マニアックな会話が増えて、それはいいんですけど、なんだか、それは他にいい会話の題材が見つからないから代わりにマニアックねたを書こう、と作者が苦しんでいるような気がして読んでいて少し痛々しかったです。私の勘違いならいいのですけど……
・まみちゃん除く、女子高生二人のキャラがかぶっていてもいいじゃないですか……なにも作品中で自分で言わなくたって、ねえ。そして石崎さんもどんどん自分を貶めていく……。
・トリック(?)はどうなのでしょう。あまり「あ!」とか思えなかった。推理小説のトリックに驚きを求めたい私には少し、悲しかったです。

No.1 2点 ソラ 2002/05/12 16:02
冒頭の掛け合い漫才はかなり笑えたのだが・・・それだけだもんなぁ・・・。


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