海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ SF/ファンタジー ]
あなたの人生の物語
テッド・チャン 出版月: 2003年09月 平均: 6.50点 書評数: 4件

書評を見る | 採点するジャンル投票


早川書房
2003年09月

早川書房
2003年09月

No.4 5点 蟷螂の斧 2026/05/02 17:17
①バビロンの塔 4点 塔の天辺にある丸天井に穴をあけるため、工夫は登り続ける…まず息ができるの?(笑)。SFではなくファンタジー?(解説での答えはSF的とのこと)
②理解 5点 昏睡状態の人物にホルモンを投与すると奇跡的に回復。しかも超人に…CIAから逃れるも、新たな敵が出現(超人になる過程が小難しく「理解」不能)
③ゼロで割る 6点 数学の公式に誤りと矛盾を発見してしまった女性数学者…その夫の悩み(自己矛盾)
④あなたの人生の物語 4点 エイリアンの言葉を解読するために派遣された女性言語学者。彼女の人生…過去、現在、未来(高評価が多く、期待したが…) 
⑤七十二文字 3点 泥人形に「名辞(72文字書かれている紙)」を入れると動く世界(旧時代)。人間を増産する名辞の研究…精子、又は卵子のみで人間を創造しようとする研究(変なのw)
⑥人類科学(ヒューマン・サイエンス)の進化 4点 普通人は超人の創造物を理解するための「解釈学」を生み出すが…超人はもともと人間(自分の子供が超人になったら?)
⑦地獄とは神の不在なり 7点 妻が死亡し天国へ。夫も天国へ行きたいが、神を信じ愛しているわけではない…天使の降臨の描写が刺激的(天国へ行く者も、地獄へ行く者もいる)
⑧顔の美醜について―ドキュメンタリー 5点 カリー(美醜を認識する回路を失認させる装置)の是非についてのインタビューなど…女高生の意見「男の脳のスケベ回路のスイッチを切るような装置なら賛成」が受けた

No.3 8点 糸色女少 2021/07/13 22:59
「人類とは本質的に異なる知性を、いかに異なるかが理解できるように描く」という難題を成し遂げたうえで全体を感動の物語に仕上げた表題作をはじめ、文字通りに天まで届く塔の建築現場を生活感あふれる筆致で描写する「バビロンの塔」、機械ではなくゴーレムにより産業革命が起きたもうひとつのイギリスを舞台とする「七十二文字」、神が顕現し奇蹟が日常のものとなっている世界における信仰のあり方を考察する「地獄とは神の不在なり」など全八篇。
どれもみな、一級の奇想に徹底した論理展開で肉付けし、ふさわしいドラマに乗せて適切な文体で語った隙のない作品ばかり。

No.2 7点 tider-tiger 2019/11/16 20:51
新作『息吹』がいよいよ来月刊行されるようです。買うのは文庫になってからと言いたいところですが、けっこう待たされそうですね。

純粋にエンタメとは言い切れない作風に感じます。そうかといっていわゆる文学ではありません。いかにもSFらしい書き方なんですが、SFど真ん中というよりはアヴラム・デイヴィッドスンみたいな奇想系に寄った人のように思えてなりません。私のようなSFを少しかじった人間ではなく、深いSFファンがすごいSFだとあちこちで言ってますのでもちろんSFなのでしょうが。
そんなわけで、個人的にはここまで広く人気があるのは少し不思議な気がしています。
私も天才とはあまり感じませんでした。天才というよりは奇才と呼ぶ方が合っているような気がします。

★バビロンの塔 どうやってオチをつけるのかと思っていたら、頭の体操(多湖輝)のようなオチで楽しかった。もう少し短くまとめても良かったのでは。6点
★理解 これはきちんとエンタメしてます。いわゆる高知能者の一人称小説はかなり厳しいものありますが、それほど違和感なくまとまっています。本短編集内でもっとも早く書かれた作品らしいですが、かなり若い頃の作品という印象が強くあります。7点  
★ゼロで割る 正直なところ話自体は大して面白いとは思いませんでしたが、サイエンスを物語にいかに絡めていくのか、作者の特徴がよく表れている作品のように感じました。5点
★あなたの人生の物語 テーマとアイデアはもろに『スローターハウス5』ですが、物語や書き方はまるで違うし、読み味もまるで異なります。スローターハウス5は胸中にジワジワと広がるなにかがありますが、こちらは胸に突き刺さりました。9点(客観評価8点、個人的嗜好で+1)
※虫暮部さんのご指摘は強引ではないと思います。
★七十二文字 これは面白かった。7点
★人類科学の進化 着眼点は面白いと思いました。もう少し頁数が欲しい。6点
★地獄とは神の不在なり これは合いませんでした。なぜか空々しく感じてしまったのです。4点 
★顔の美醜について――ドキュメンタリー 面白いんですけど、もう少し深堀りしたオチが欲しいと思うのは贅沢でしょうか。6点

No.1 6点 虫暮部 2018/08/23 12:19
 小林泰三の描く異世界の如き「バビロンの塔」。森博嗣の登場人物のカリカチュアみたいで面白い「理解」。表題作を叙述トリックの亜種だと主張するのは強引だろうか?
 寡作な米SF作家の第一作品集。収録作品全般的に、9割までは文句無しに面白いんだけどラスト1割での着地点がなんだか曖昧で肩透かしに感じる。“天才”とも謳われるが、そうまでは思わなかったなぁ。


キーワードから探す
テッド・チャン
2019年12月
息吹
平均:7.67 / 書評数:3
2003年09月
あなたの人生の物語
平均:6.50 / 書評数:4