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[ ホラー ]
死者のための音楽
山白朝子 出版月: 2011年12月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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KADOKAWA/メディアファクトリー
2011年12月

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2014年03月

No.1 7点 メルカトル 2018/08/05 22:12
教わってもいない経を唱え、行ったこともない土地を語る幼い息子。逃げ込んだ井戸の底で出会った美しい女。生き物を黄金に変えてしまう廃液をたれ流す工場。仏師に弟子入りした身元不明の少女。人々を食い荒らす巨大な鬼と、村に暮らす姉弟。父を亡くした少女と巨鳥の奇妙な生活。耳の悪い母が魅せられた、死の間際に聞こえてくる美しい音楽。人との絆を描いた、怪しくも切ない7篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。
「BOOK」データベースより。

乙一が山白朝子名義で怪談専門誌『幽』に寄稿した作品を纏めた短編集。
ジャパニーズ・ホラーというか怪談、いいですねえ。表題作はあまりピンと来ませんでした、『鬼物語』はただただ怖いだけであまり感心しませんが、その他はどれも佳作揃いと言っていいんじゃないでしょうか。いかにも乙一らしい、怖くておぞましいけれど、どこか切なく優しい面を覗かせる逸品が並びます。
経験がないのに懐胎してしまう女の物語『長い旅のはじまり』、最後にエッジを効かせた『黄金工場』も良いですが、個人的には『鳥とファフロッキーズ現象について』がイチオシですね。大型の名前も知れぬ鳥と、父娘との温かい交流と残酷な最後、これは泣けます。
しかし、最も氏の本領を発揮しているのは『井戸を下りる』でしょうか。この怪しげな世界観は最早誰にも真似できないといっても過言ではないと思います。


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山白朝子
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