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[ SF/ファンタジー ] 調停者の鉤爪 新しい太陽の書2 |
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ジーン・ウルフ | 出版月: 1987年02月 | 平均: 9.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1987年02月 |
早川書房 2008年05月 |
No.1 | 9点 | 雪 | 2018/06/14 16:55 |
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拷問者組合からの推薦状を持ち、ネッソスからスラックスへと向かう追放者セヴェリアン。流しの死刑執行人(ギター弾きみたいですね)をやったり、死んだ筈のセクラの手紙に盛大にだまくらかされたり、寸劇をしたりと相変わらず忙しいです。
この2巻目で名剣テルミヌス・エストと並ぶ、セヴェリアンを象徴するアイテム〈調停者の鉤爪〉が登場します。 年老いた太陽に代わる新しい太陽をこの世界にもたらすとされる存在「調停者」。 その遺物とされる〈鉤爪〉はエメラルドのケースに納められ、死者すら蘇らせる力を持つとされています。 この〈復活〉というテーマは「新しい太陽の書」シリーズの中で手を替え品を替え繰り返し語られます。そのもう一つがこの巻で様々な形でセヴェリアンを襲う〈アルザボ〉という人食い猿。 直前に食った人間の声で話したりするという、この大猿から抽出した液体をDNAと共に摂取する事によって、死者の意思を潜在意識に残す効果があるのです。このアルザボの能力がどうストーリーに関わってくるのかが本編のお楽しみ。 アルザボの他にもウンディーネなどの怪生物が現われたり、海底に潜み「調停者」と対立するという巨大生物〈エレボス〉〈アバイア〉等の存在が語られます。 ネッソスで出会う人間中心に描かれていた1巻目とは異なり、徐々にSFの要素が出て来るのが2巻の特徴です。 amazonレビューでは「拷問者の影」の方が第一関門だそうですが、自分はこちらの方がやや中弛み気味に感じました。よって1点差し引きます。 とは言え、この巻で演じられるセヴェリアン達の寸劇が最終巻「新しい太陽のウールス」で起きる出来事の先取りであるように、このシリーズに無駄な描写など皆無なのですが。 |