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[ 警察小説 ] スクールガール殺人事件 |
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コリン・ウィルソン | 出版月: 1975年01月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
新潮社 1975年01月 |
新潮社 1978年10月 |
No.1 | 5点 | クリスティ再読 | 2017/09/20 00:12 |
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「アウトサイダー」で有名なサブカル系批評家のフィクション作品だけど、なぜかなぜかガッチガチの警察小説である。もちろん、ウィルソンお得意のオカルトネタが全開なんだけど、読んだ感じは端正で少しモジュラー風(というか、モジュラーの本家J.J.マリックが友達で謝辞が入ってる)警察小説だ。なので何か地味で、読んでいる間はそこそこ楽しめるが、モジュラーの宿命でやたらと登場人物が多くて結構「あれ誰だっけ」になる。
「スクールガール」殺人事件とタイトルがついているが、実は看板に偽りありで、被害者は今風に言えば、JKコスプレが得意の娼婦まがい。その死体がとあるお屋敷の庭に転がっているのが発見された。で調べてみると、そのお屋敷の3階でその屋敷の所有者の甥が殺害されているのが発見され...でその甥というのがオカルティストで、交友関係の中に犯人が潜むのでは、とソールフリート警視の捜査は進む、という話。なので、オカルト知識ゼロの捜査官が、オカルト書店経営者とか、イギリスの「黄金の暁」の後継団体主催者とかの話を聞いて回る。まあ耳学問としては結構楽しい。アレイスター・クロウリーの本がちょっとした小道具として使われたりする。オカルト入門編のつもりなのかしらん。 で、魔女を自称する女性とソールフリートとの間に共感的な交流があったりする。ソールフリートは実務的なりアリストではあるが、そうそう堅苦しい感じではなく、メグレ風の想像力・共感力の探偵だ。この女性が直観した内容が、結構捜査の役に立ってたりするのを、ミステリのルール違反とか責めるのは狭量すぎるというものだ。 悪くはないが突出した良さとかはない。このくらいの評点が相応。 |