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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 破壊部隊 マット・ヘルム、部隊シリーズ |
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ドナルド・ハミルトン | 出版月: 1964年01月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1964年01月 |
早川書房 1979年09月 |
No.1 | 7点 | mini | 2016/09/09 09:59 |
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* 私的読書テーマ”生誕100周年作家を漁る”、第3弾ドナルド・ハミルトンの2冊目
シリーズ第1作「誘拐部隊」は、戦時中の名スパイだが今は民間人として安穏と暮らしているマット・ヘルムが何故に現場復帰する事になったか?が中心で、どう見てもシリーズ導入編的要素が強い 書評にも書いたが、「誘拐部隊」1作だけを読んでもシリーズの特色は分かり難い、異色作とか番外編とかとはまた理由が違うが、言わば”きっかけ”を描くのが主眼だからねえ 本来のシリーズらしさが発揮されてくるのはこの第2作「破壊部隊」からなんだろうな シリーズ名の”部隊”だが、これはおそらく早川が勝手に付けた命名で、シリーズどの作にも原題には”部隊”とは謳っていない その為に誤解され易いと思うのだが、部隊と聞いてまるでチームワークで諜報活動をするのではと思う人も多いだろう しかし内容は真逆、マット・ヘルムは組織の一員ではあるが一匹狼的性格なのである 前作「誘拐部隊」はスパイ小説だがハードボイルド的だと私は書いた しかしこの「破壊部隊」では、マットの祖先のルーツであるスウェーデンが舞台という事も有って、おぉ!、これならスパイ小説らしい雰囲気が出ていると思った もっとスウェーデンの風物描写が濃厚でも良かったんじゃ、と感じたくらい ところがなんである、前半はスパイ小説らしいのだが、後半に入るとやはりハードボイルドの世界なのである(笑) 特に敵役というのが全然スパイ小説らしくなくて、単なる普通の悪党にしか見えないのがちょっと弱い このシリーズが本国アメリカでは人気シリーズだったのも納得 007のような英国流の格調の高さは無い代わりに、いかにもアメリカンな男の哲学などが執拗に語られるハードボイルド風なのがアメリカ人には受けたのだろう 英国流スパイ小説の良さは微塵も無いが、英国勢では絶対書けないアメリカ作家ならではの味わいが有る まさにスパイ小説版ミッキー・スピレインって感じだ |