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[ ハードボイルド ]
追いつめる
志田司郎
生島治郎 出版月: 1967年01月 平均: 8.00点 書評数: 3件

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光文社
1967年01月

中央公論社
1972年01月

中央公論社
1974年01月

講談社
1976年01月

集英社
1990年03月

徳間書店
2000年04月

No.3 7点 kanamori 2010/07/31 14:33
同じく港町を舞台にしたデビュー作「傷痕の街」の延長線に位置づけされるハードボイルドの傑作。
誤って同僚を撃ち警察を辞した元刑事の一人称で、無駄を排した抒情的な文体で主人公の心情を綴りながら、組織暴力団に立ち向かう様を描いています。
海外の私立探偵ものは、主人公を傍観者的に置いたものが多いが、本書の主人公は意外とウエットで泥臭い。日本独自のハードボイルド小説という感じを受けた。

No.2 8点 2010/07/18 19:40
最初の1ページから、まだ何も事件は起こっていないにもかかわらず、もうハードボイルド、それも正統派以外の何物でもないという感じが伝わってくる文章です。当然のように主役志田の一人称形式ですが、ハメットともチャンドラーとも微妙に違う雰囲気があり、そこが個性というものでしょう。
全国港湾協会を牛耳る広域暴力団の捜査を始めた刑事が個人プレーの行きすぎで結局退職を余儀なくされ、それでも県警本部長の了解の下、しつこくに迫っていく話は、彼の執念と哀しみが伝わってきます。
最後の「意外性」はいかにもハードボイルドらしいのですが、途中であからさまな手がかりもあり、読者は志田より先に単なる直感ではなく気づいてしまうでしょうね。船に潜入した志田が見つかってどうなるかの経緯は、暴力団にしては処置が甘すぎる点がちょっと気になりました。

No.1 9点 itokin 2010/02/10 20:50
日本のハードボイルドの原点といわれている作品。今読んでもぜんぜん色あせてない派手ではない全編を流れるムードはなんともいえない余韻が残る。大沢作品の好きな人に読んでもらいたい直木賞受賞作品です。


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生島治郎
1999年12月
修羅の向う側 志田司郎探偵事務所
平均:6.00 / 書評数:1
1993年10月
浪漫疾風録
1990年02月
死に金稼業
平均:6.00 / 書評数:1
1985年05月
密室演技
平均:6.00 / 書評数:1
1985年03月
犯罪ハネムーン―新婚刑事事件簿
平均:6.00 / 書評数:1
1982年05月
犯罪ラブコール―のんびり刑事未解決事件簿
平均:6.00 / 書評数:1
1981年03月
銀座迷宮クラブ
平均:6.00 / 書評数:1
1977年06月
危険な女に背を向けろ
平均:5.00 / 書評数:1
1976年01月
白いパスポート
平均:6.00 / 書評数:1
夢なきものの掟
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1975年05月
死者だけが血を流す
平均:7.00 / 書評数:1
1975年01月
報酬か死か
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1973年01月
裏切りの街角
平均:6.00 / 書評数:1
1971年01月
あの墓を掘れ
平均:7.00 / 書評数:1
殺しの前に口笛を
平均:8.00 / 書評数:1
1970年01月
狙われる男
平均:7.00 / 書評数:1
男たちのブルース
1969年01月
死はひそやかに歩く
平均:7.00 / 書評数:1
1968年01月
悪人専用
平均:6.00 / 書評数:1
1967年01月
愛さずにはいられない
平均:6.00 / 書評数:1
追いつめる
平均:8.00 / 書評数:3
1966年01月
東京2065
平均:6.00 / 書評数:1
1965年01月
黄土の奔流
平均:8.00 / 書評数:2
1964年01月
傷痕の街
平均:7.50 / 書評数:2