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[ ハードボイルド ]
死に金稼業
志田司郎
生島治郎 出版月: 1990年02月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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徳間書店
1990年02月

徳間書店
1994年02月

No.1 6点 人並由真 2019/12/26 20:54
(ネタバレなし)
 おなじみ私立探偵・志田司郎ものの連作短編集(何冊目だ?)で、読みやすい長さの7本の事件簿を収録。評者は文庫版で読了。

 全編がヤクザ・暴力団がらみの事件ばかりで、それぞれ相談の案件を持ち込んできた依頼人や事件関係者のために、志田司郎がどう事態の落しどころを探すかが興味の主体。
 肝心のミステリ味は、事件の裏の策略や、意外な動機を暴くかたちで数編の話で発露する。
 
 巻末の「難民哀歌」は、日本に来た中国人留学生が苦学生として学業の傍らで就労するなか、仲介業者のヤクザとその顔色を窺う雇い主に賃金を搾取される話。外国人労働者の奴隷化が社会問題になっている2010年代の終りだが、30年前からこんな話題はあったのである(物語の背景には、当時世界に反響を呼んだ天安門事件がからむ)。

 安定した面白さだが今回もそれなりにバラエティ感には富んでおり、中年の貧乏私立探偵の矜持のあり方に、いかにも生島らしいハードボイルド観が覗く話も散在する。
 最近、私的にあれこれあって本がまとめてゆっくり読みにくいこのしばらくだが、ちびちび一編ずつ楽しんで、心の渇きを癒やしてくれる一冊であった。


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生島治郎
1999年12月
修羅の向う側 志田司郎探偵事務所
平均:6.00 / 書評数:1
1993年10月
浪漫疾風録
1990年02月
死に金稼業
平均:6.00 / 書評数:1
1985年05月
密室演技
平均:6.00 / 書評数:1
1985年03月
犯罪ハネムーン―新婚刑事事件簿
平均:6.00 / 書評数:1
1982年05月
犯罪ラブコール―のんびり刑事未解決事件簿
平均:6.00 / 書評数:1
1981年03月
銀座迷宮クラブ
平均:6.00 / 書評数:1
1977年06月
危険な女に背を向けろ
平均:5.00 / 書評数:1
1976年01月
白いパスポート
平均:6.00 / 書評数:1
夢なきものの掟
平均:5.00 / 書評数:1
1975年05月
死者だけが血を流す
平均:7.00 / 書評数:1
1975年01月
報酬か死か
平均:6.00 / 書評数:1
1973年01月
裏切りの街角
平均:6.00 / 書評数:1
1971年01月
あの墓を掘れ
平均:7.00 / 書評数:1
殺しの前に口笛を
平均:8.00 / 書評数:1
1970年01月
狙われる男
平均:7.00 / 書評数:1
男たちのブルース
1969年01月
死はひそやかに歩く
平均:7.00 / 書評数:1
1968年01月
悪人専用
平均:6.00 / 書評数:1
1967年01月
愛さずにはいられない
平均:6.00 / 書評数:1
追いつめる
平均:8.00 / 書評数:3
1966年01月
東京2065
平均:6.00 / 書評数:1
1965年01月
黄土の奔流
平均:8.00 / 書評数:2
1964年01月
傷痕の街
平均:7.50 / 書評数:2