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ミステリの祭典

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純さんの登録情報
平均点:6.20点 書評数:5件

プロフィール| 書評

No.5 8点 倒叙の四季 破られたトリック
深水黎一郎
(2017/10/25 21:44登録)
前々から「古畑任三郎」とか「刑事コロンボ」とかの推理物が好きな私は、この小説の倒叙形式の小説にはまってしまった。あまりこの手の作品が嫌いな方には申し訳ないが私は結構楽しめた。
4編の短編があたかも、枕草子的なタイトルであり、それぞれが、微妙に繋がっていて、「完全犯罪完全指南」というPCファイルをが、最後にどんでん返し的に使われているし。
内容的にはどれも、犯人が完璧な完全犯罪をもくろむが、思いもしないミスにより、海埜刑事により犯行を暴かれていくという単純な話なのだけれど、完全犯罪はは難しいものだとつくづく思わせる作品。


No.4 6点 潮騒のアニマ
川瀬七緒
(2017/10/25 21:41登録)
川瀬さんの作品2作目。今回も相変わらずするほどグロ的な設定。ミイラにアカカミアリ?想像するだけで気持ち悪くなる。でも、そこがまた、このシリーズの醍醐味なのかもしれない。間違っても映像化されないように祈る。
内容的には今回も法医昆虫学者「赤堀」と岩楯刑事との神ノ出島での捜査なのだが、今回はヒアリ似た外来種の蟻の生態系に関するお話。時として、今現在、ヒアリの存在が明らかになった日本においてまさに、時期を得た話に違いないと思う。
最近、蟻とか蜂とかの被害がニュースになっている昨今、昆虫に対する考え方および対策が必要不可欠になっているのではないだろうか?と思わせる小説だ。


No.3 6点 煽動者
石持浅海
(2017/10/25 21:39登録)
それなりに面白く読めたけど、読んでいくうちに少し凝りすぎじゃないかとさえ思えてきた。
人を殺さないテロリストの設定としては安易に殺人が起きるところがちょっと不思議な気がする。まあ、そうでなければ、話が進まないのかもしれないけど・・・。
内容的には、組織とはこういうものだという少し面食らうよな展開にちょっと度肝を抜かされるような流れだけど、ちょっと矛盾がありそうだなあと思う。殺人事件が起きたのに警察が関与しないというのもそうだ。まったく常識を無視しているし、つじつまも合わない。テロリストと言うより秘密組織という感じ?それも国家的な。


No.2 5点 乙霧村の七人
伊岡瞬
(2017/10/25 21:34登録)
タイトルからして、あの伊岡さんのホラーか?と期待した分ちょっと拍子抜け的な小説だったけど、きちっと、事件部分と解説部分と分かれていたので読みやすかった。
それに、事件のリアリティさと、解説部分のインタビュー形式が相反していて面白かったし、真相が色々と反転して、事実と違う真相がが描かれていてすごかった。
それぞれの登場人物が全員、一癖も二癖ある人物だと思わせる描写は素晴らしい。
あと、思ったほどホーラー的な要素は少なく、そうグロくもないので、苦手な人にも読みやすいかなと思う。


No.1 6点 黒龍荘の惨劇
岡田秀文
(2017/10/25 21:28登録)
この作品、あくまでも、途中まではごく普通のスタンダードなミステリーだった。それがラストの探偵「月輪」の謎解きによって様相ががらりと変わってくる。
探偵もなかなか真相にたどり着けずに四苦八苦していたのがうまく描かれている。でも、なんで最後に伊藤博文?ちょっと疑問だった。あまり関係がないように思われたが、なんか重大な意図があったのだろうか?
トリック自体も少し、仰々しいのではないかと思ったが、それこそ、アガサの「そして誰もいなくなった」同様、黒龍荘の8人が次々と消されていくのは面白い。しかも首なし死体として・・・。
最終的には、意外な発想に驚かされたけど、意外と面白かった。

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