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ミステリの祭典

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強欲な羊

作家 美輪和音
出版日2012年11月
平均点6.25点
書評数4人

No.4 6点 虫暮部
(2021/01/29 13:21登録)
 それぞれの出来は良いが、この手の作風は短編集だと飽きる。もっとありきたりな“事件→捜査→解決”形式にはそんなことないので不公平だが仕方がない。
 粗筋紹介文に“女性ならではの鋭い狂気”、文庫版解説には“女って怖い”。作者もそういう考え方を踏襲して書いていそう。私は“キャラクターにはあくまでその個人の諸要素が反映されているのであって、性別は(ほぼ)無関係”だと思うので、そのへんは深みに欠けるパターン化した造形で大きなマイナス点だと感じた。

No.3 7点 まさむね
(2020/11/03 23:47登録)
 連作短編集。グイグイ読ませた上での反転。巧いです。①と④が特に印象に残りそうかな。
①強欲な羊:浅はかな私の想定を軽々と超える結末。ジワッと怖い。
②背徳の羊:これも私の想定を超えていった。女性って怖い。
③眠れぬ夜の羊:この作品集の中では目立たないかもしれないが、複数のネタ配置など、心憎い。
④ストックホルムの羊:あまり多くは語りますまい。反転がお見事。
⑤生贄の羊:これまでの4作と繋がるお話。ホラー感は最も強いけど、この短編に限っては消極的な評価。

No.2 7点 メルカトル
(2019/07/03 22:58登録)
美しい姉妹が暮らすとある屋敷にやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた陰湿で邪悪な事件の数々。年々エスカレートし、ついには妹が姉を殺害してしまうが―。その物語を滔々と語る「わたくし」の驚きの真意とは?圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる“羊”たちの饗宴。企みと悪意に満ちた、五編収録の連作集。
『BOOK』データベースより。

ダークでホラーな連作短編集。いずれもミステリ的趣向が施されて、どんでん返しが炸裂します。特に表題作は、これぞ暗黒小説と言いたくなるような、残酷なのにそれを淡々と表現する作者の空恐ろしさを感じます。まあこれをリアルに描いたら、只のグロになってしまいますが、そこを上手にテクニックでカバーしシュールさすら覚えるような作品に昇華させていますね。異世界に読者を導いてくれます。

『ストックホルムの羊』などは終盤でそれまでの話は一体何だったのだろうと思うような反転と言うか、でんぐり返しを見事に決めています。
最終話では各短編の登場人物が現れます。この手法は有りがちですが、冒頭、三人の女性が公衆トイレの個室で片足を手錠で繋がれているという、大変魅力的な設定となっており、私好みの展開であります。その後はちょっと違うなと感じましたが、いずれにせよどの短編も単体でも十分楽しめる作品集に仕上がっていると思います。ただ、やや無理やり感がないわけではなく、連作にする必然性があったようには思えませんでした。
Amazonでの評価は低いです(読者メーターは割と好意的)が、個人的には非常に面白く読ませてもらいました。イヤミスとの説もありますが、何とも言えませんね。ジャンルを超えた異色の問題作ってところじゃないでしょうか。

No.1 5点 haruka
(2015/08/19 00:59登録)
ホラーテイストの強い短編集。どの作品もどんでん返しが用意されており、なかなか楽しめた。

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