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ミステリの祭典

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柘榴パズル

作家 彩坂美月
出版日2015年08月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 ぷちレコード
(2024/10/28 21:58登録)
主人公の美緒は、祖父と母、兄と妹、そして猫と共に暮らしている。そんな一家のひと夏を5つの短編によって描いた本書では、写真館での人間消失事件などが、美緒たちなりの温もりの中で解かれる様を楽しめる。
だが本書は、それだけでななく各編の間に陰惨な事件を報じる記事が挟まれているのだ。最終話で記事の意味を理解した時、この物語の全貌を知り切なくなった。

No.3 5点 小原庄助
(2018/05/05 09:09登録)
19歳の短大生「あたし」が語る「山田家と五つのミステリ」。
繰り返される「なんでも見た目通りじゃない」という言葉のままに、隠された秘密が明らかになっていく。物語の設定にも意外性が隠されていて、最終章で驚かされる(呆れる人もいるかもしれない)。
ただ、大胆なプロットもさることながら、季節感を繊細にあらわす叙情と人物たちのやるせない情感が醸し出されて見事だし、やや作りすぎではないかと思わせておいて、エピローグで語られる新たな選択が後味を良くしている。たくまれた青春人情ミステリ。

No.2 8点 yoshi
(2016/02/12 17:09登録)
これは面白かった。
正直最終話がはじまるまでは、ヌルイ短篇集だなあという印象でしたが、
最後に反転した真相を知ってからそれまでを振りかえると、
いろんな細部の意味が解って来て感動する。
この作家には今後注目して行きたい。

No.1 6点 まさむね
(2015/09/21 21:47登録)
 読みどころは最終話の「バイバイ、サマー」で、最終話に至るまでの個々の短編については、正直、ミステリとしてちょっと弱い。でも、私は結構好み。陳腐という印象を受ける方もいらっしゃると思いますが、個人的には「こういうのも、たまにはいいじゃない」って感じですねぇ。

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