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ミステリの祭典

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太宰治の辞書
円紫さんと私シリーズ

作家 北村薫
出版日2015年03月
平均点4.40点
書評数5人

No.5 3点 ボナンザ
(2021/08/31 12:26登録)
奇跡の復活、というよりはファンサービスの一環かな。

No.4 4点 まさむね
(2018/05/06 21:55登録)
 「円紫さんと私」シリーズの最新作。前作の「朝霧」から17年を経た「私」は、引き続き「みさき書房」に勤め続けており、「連れ合い」との間に中学生の息子がいる境遇。オンタイムで接していた方々にとっては、これだけで、郷愁?を感じるのではないでしょうか。
 しかし、ここは、この作品単体での冷静な評価を。正直、「私」の姿を借りた、作者の文学論評(とまでは言わなくても文学的エッセー)の場と感じずにはいられません。確かに、個人的には、知的好奇心をくすぐられたし、太宰の「女生徒」も読み返したりしたのですが、自分勝手な一言を申し上げるとすれば「自分が望むこのシリーズとは、そういう類のものではなかった」ということになります。文学的な素養なく、生れて、すみません。

No.3 4点 白い風
(2015/12/20 23:29登録)
円紫さんシリーズですね。
主人公の”私”も学生から社会人になって凡人の私にはハードルが高くなっちゃいました(爆)
今回は題名から分かるように題材は太宰です。
太宰と言えば今話題の芥川作家の又吉さんも小説の中で出てきましたね(笑)
個人的に初期の頃の日常の謎の方が大いに楽しめますね。

No.2 5点 虫暮部
(2015/07/16 08:21登録)
 『六の宮の姫君』よりは判り易かったけど……北村薫にはもっと純粋なミステリを書いて欲しい。

No.1 6点 kanamori
(2015/04/14 18:23登録)
小出版社に勤める〈私〉は、新潮社のロビーに飾られたある小説の復刻版を目にしたことを契機に、作家の創作の謎に興味を惹かれるようになる。そして、旧友の正ちゃんから聞かされた太宰治「女学生」を巡って、円紫さんに導かれるまま、太宰の創作の秘密を探索する旅に出ることに---------。

〈円紫さんと私〉シリーズの最新作。前作「朝霧」から17年、小説内の〈私〉も同じように年を重ね、結婚し中学生の息子をもつ中年女性になっているが、謎に対する知的探求心は若い頃と変わらない。
作中に「謎は往々にして、それが謎であることを隠している」という印象的なセンテンスもあるけれど、創作の謎といっても非常に些細で、普通の人ならまったく気にもとめないようなこと。芥川龍之介や太宰治によほど興味をもっていて文学的素養がないと、(とくに前半は)置いてきぼりを喰らうこと必至な内容と言えそう。もちろん本書はフィクションではあるものの、ミステリというより、元高校の国語教師・北村薫が、シリーズキャラクターの〈私〉を借りて書いたエッセイ風の文学評論的なところもある。
文学の素養のない身には、途中まではナンダカナ~という感じでしたが、終盤の、太宰の「女学生」に出てくるロココ料理と掌中新辞典に関する謎の探求行はスリリングで、知的冒険の興趣に酔わされた。真相は二の次で、その探求行というプロセスが面白かった。

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